2014年3月5日水曜日

住宅除染

 街へ用事があれば、行きか帰りのどちらかに夏井川の堤防を通る。2カ所、住宅に囲まれた小公園が堤防のそばにある。ほぼ同時に、除染作業が行われた。表土をはぎとり、黒いフレコンバッグに詰める。公園に大きな穴を掘って、その袋を埋める。作業の過程で一時、黒い袋と土砂の山ができた=写真

 いわきの市街地では、除去した汚染物を保管する仮置場の確保が難しい。中間貯蔵施設ができるまでは敷地内で保管するしかない。個人の住宅でも事情は同じだ。庭に穴を掘って土をかぶせる地下保管か、汚染物を土嚢で囲う地上保管か、どちらかを選ぶことになる。土で覆うことで放射線量は98%遮蔽できる。が、汚染物の詰まったフレコンバッグは当面、敷地に残る。

 先日、隣組の回覧網を通じて「平地区の除染実施同意書について」と題するチラシが各戸に配布された。いわき市では「市除染実施計画」に基づき、比較的線量の高い北部4地区(川前、久之浜・大久、小川、四倉)で住宅除染を実施している。平地区でもその準備が整った。ついては、土地立ち入りの同意が必要なので、後日、除染実施同意書を郵送する、返信を――というのが内容だった。
 
 除染実施までの段取りとして、①土地立ち入りの同意書取りつけ②事前モニタリングの実施③除染説明会の開催④作業計画書の作成――などがある。
 
 線量が毎時0.23マイクロシーベルトを超えていれば除染の対象になる。住民はすでに自宅内外の線量を把握しているはずである。少なくともわが家では、除染は必要としない。書類が届いてもその旨の返事になる。小川の夏井川渓谷にあるわが隠居(無量庵)では晩秋、敷地の全体除染が行われた。汚染物は、交流のある隣接区の好意で、同区に設けられた仮置場に搬入された。山里だからこそ仮置場が確保できた、まれなケースだろう。

 堤防そばの公園は、今は残土が少しあるだけになった。その一角に立つリアルタイム線量計の数値は、今朝(3月5日)は0.114ほどだった。

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