2014年3月8日土曜日

ユーモアセラピスト

 ユーモアセラピストの百笑溢喜(ひゃくしょういっき=本名・植松康宏)さん=写真=が、卒業間近の小6生を相手に“口演”した。PTA活動を通じて知り合ってから30年余。植松さんは、私のなかでは「いわきの綾小路きみまろ」だ。毒舌ではなく、ダジャレで人の心をほぐす。計算された話芸が12歳にも通じて、笑いがはじけた。

 6年生は卒業と同時に、小学校の同窓会の会員になる。その入会式が先日、学校で行われた。

 学区内に八つの行政区がある。区長は同窓生でなくとも自動的に会の幹事になる。案内が来たので入会式に立ち会った。式だけなら同窓会長と校長があいさつし、児童代表が入会の誓いをして終わり――それだけでは思い出深いものにならないと、現会長が旧知の植松さんの漫談講演を仕掛けたという。

 植松さんは元PTA役員で同じ同窓会の顧問もしている。昔からダジャレを飛ばして人を笑わせていた。笑いに年季が入っている。プロの漫談家による「課外授業ようこそ先輩」のようだった。
 
 最初にマジックで引きつけ、本題に入る。時事ネタが多い。少子高齢化の問題では、「昔むかし、あるところにおじいさんとおばあさんが住んでいました。今は『あるところに』ではなく、『いたるところに』住んでます」。12歳がドッと笑う。
 
 サケの稚魚が数年後にふるさとの川へ戻ってくる話では、「魚で頭がいいのはサケではない、メダカです。なぜって、学校に行ってるから」。居並ぶ幹事さんも爆笑した。
 
 植松さんは公民館や福祉施設で「笑いの出前」を続けている。震災後はいわき市内の交流スペースや仮設住宅、市外の団体や施設からも声がかかるようになった。イトーヨーカドー平店2階にある交流スペース「ぶらっと」での“口演”は、その先駆けだったのではないか。
 
 モットーは「私がいるために誰かが幸せになる」。“笑涯楽集口座”は子どもたちの前でも快調だった。

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