2014年4月22日火曜日

菜園づくり再開

 夏井川渓谷の隠居(無量庵)で菜園を再開することにした。2013年初冬に庭の全面除染が行われ、山砂が一面に敷き詰められた。一角にあった菜園も消えて、学校の校庭のようになった。

 意地でも「三春ネギ」の栽培を続ける、そう決めている。三春ネギは秋に種をまく。その種まきを、去年、除染作業を控えて中止した。春になったので、まいてみようかと思ったが、三春ネギの生活環をこわすことになる。種は冷蔵庫のなかで眠ったままだ。

 初夏に種を採り、秋にまく。余った種を翌年秋にまいたら、半分くらいは芽生えた。これまでの経験から、2年くらいは種も生きている。ただし、芽生えてもそのまま育つとはかぎらない。手入れが悪かったせいもあって、去年、2年目の種の苗はあらかた姿を消した。

 菜園を再開するとしても、三春ネギは秋の種まきまですることがない。まずはラディッシュ(二十日大根)、カブの種まきだ。すぐ収穫できるし、失敗もほとんどない。市販されている種袋の半分の量をイメージしながら、苦土石灰をまき、「畑おこすべ~」でうねづくりを始めた=写真

 小さな菜園なのに、年々、土おこしがきつくなる。クワやスキを長時間握っていると、息が切れる。年齢的な衰え、持病が原因だ。
 
 それでも家庭菜園用の耕耘機を買うほどではない。なにかいい道具はないものかと探していたら、スコップとスキを合体させたような「畑おこすべ~」があった。握りその他はアルミ製、5本ある刃は鉄製で「焼き」が入っている。ぐっと足で刃を踏み、取っ手を手前に下げる。すると土が起きる。これもしかし、長くやっているときつくなった。
 
 カミサンは、野菜ではなく園芸(花)に関心がある。妹の家から余ったスイセンの苗をもらってきた。それをせっせと土手に植えた。
 
 土手はササダケが密生していた。除染作業できれいに刈り払われた。道路との境を兼ねる“生け垣”が消えたので、新たに柵を設けた。とはいえ、ササダケの地下茎はそのまま残っている。その芽が出始めた。土手の手入れは大変だが、スイセンを植えた以上はカミサンがやることになる。
 
 こちらは手抜きができる、と思いつつも、やはり気になるのは三春ネギのことだ。いざとなったら、集落の住民に手を合わせて苗を分けてもらうか、余ったネギ坊主をもらうか、するしかない。これまでにも2、3回、そうしてきた。
 
 種はちょっとしたことで途絶える。途絶えさせないためには、とにかく栽培し続けることだ。自然と人間の営みがうまくいってこそ種は維持される。今さらながらに、それを壊すものには腹が立つ。

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