2014年4月26日土曜日

俳誌「浜通り」の特集

 浜通り俳句協会(結城良一代表)が結成されたのは昭和44(1969)年2月、会員の作品発表の場である俳誌「浜通り」が創刊されたのは同年5月25日だったという。

 年4回発行の季刊誌で、おととい(4月24日)届いた152号に、「45周年記念号」とあった=写真。そのための特集が組まれているわけではない。東日本大震災直後に始まった特集は今号で12回目。ほかに去年(2013年)暮れに亡くなった俳人仲間の武川一夫さんの特集記事が載る。

 私は、たまたま旧知の代表に頼まれて、「いわきの大正ロマン・昭和モダン――書物の森をめぐる旅」というタイトルで読書感想文を載せている。今号で17回、ということは連載5年目に入ったわけだ。

 実生活上のコミュニティがある。それとは別に、ある共通の目的で結ばれたコミュニティがある。私の場合だと、いわきキノコ同好会、いわき地域学會がそれだ。デッサン、押し花、レッドワーク、カラオケ、健康運動サークル、その他なんでもいい。人はさまざまなコミュニティに所属して生きている。

 とりわけ俳人は、俳号を介して風流の世界に遊び、年齢や地域、性別を超えて、対等に、強いきずなで結ばれていく。それを裏づけるように、武川さんの人となりや作品、エピソードが17ページにわたって載る。なんとうるわしい友情だろう。ここまで俳人として生きたあかしをつづってもらえれば、死者も彼岸で満足しているにちがいない。
 
 実生活では、こうはいかない。「浜通り」が届いた日の前後に、2人の訃報に接した。用があって電話をかけたばかりの女性が2日後に急死し、知人と話した何時間かあとに、知人のお父さんが交通事故死をした。新聞折り込みの「お悔み」チラシや記事で知った。此岸から彼岸への、突然の旅立ち。ずしりと重い死が胸のなかで残響している。

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