2014年4月3日木曜日

渓谷の花見

 春が南風に乗ってやってきた。3月の終わりに街路樹のハクモクレンが咲き、ツバメが姿を見せた。4月の声を聞くと同時に、桜前線がいわきに到着した。旧小名浜測候所の標本木(ソメイヨシノ)が2日開花したと、同日のいわき民報が報じた。昨年よりは4日遅く、平年よりは4日早いという。

 小学校の入学式は7日・月曜日。平地の学校では、新1年生が満開の桜に迎えられて校門をくぐる。ハレの日、桜の花――7~6歳の子には強烈な印象となって記憶に刻まれることだろう。

 きのう(4月2日)、平地から山地の夏井川渓谷へ駆け上がると――。梅が満開だった。アセビはもちろん、ヤシャブシやアブラチャン、ヤブツバキが花をつけていた。日当たりのいい小流れのかたわらにはキクザキイチゲの花が風に揺れていた。何年か前に新種と確認されたハルトラノオの仲間のアブクマトラノオはまだだった。

 目当てのアカヤシオ(イワツツジ)は――JR磐越東線の江田駅付近から、渓谷右岸の斜面に一つ、二つ、ピンクの花群が遠望できた。江田の隣・椚平を過ぎ、籠場の滝を過ぎ、牛小川に着く。午後の太陽に照らされる尾根にピンクの花が点々と咲いていた=写真。籠場の滝付近は特にピンクの量が多かった。

 いわきの平地でソメイヨシノが咲きだすと、夏井川渓谷ではアカヤシオの花が咲きだす。経験則のとおりになった。自然はうそをつかない。わが家の庭のプラムも白い花をつけた。この週末にはどこでも花見が楽しめる。

 3月まではゆっくりしていた春の足取りが、ここにきて急に駆け足になった。きょうはそれでも一服して、昼すぎから雨になるらしい。チリの大地震の影響で、太平洋沿岸には津波注意報が発令された。けさは花より津波、注意報の解除が待たれる。

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