2014年5月15日木曜日

白土大橋

 夏井川は、いわき市の平では市街地の北から東へ進み、再び田園地帯を蛇行したあと、太平洋に注ぐ。途中、同じ市街地の南を流れてきた新川が右岸で合流する。秋になると、合流地点にコハクチョウやカモたちがやって来る。

 わが家は、早くから平のベッドタウンとして宅地開発が進められた左岸の神谷(かべや)地区にある。対岸には甲塚、大国魂神社、旧浄土宗名越派本山・專称寺などが点在する。いわきの考古・歴史の“聖地”だ。

 聖地から少し離れた新川に、3月下旬、新しい橋ができた。5月の大型連休後半初日、近くへ行った帰りに初めて渡った=写真。橋の名前はなんだっけ、なんていう橋だっけ……。それから10日余り、悶々として過ごした。

 きのう(5月14日)午後、川をはさんで用事が二つできたので、名前を確かめるために寄り道をした。橋の銘板に「白土大橋」とあった。なるほど。地名の南白土と北白土を新川が分ける。南・北白土をまたぐ(つなぐ)から「白土大橋」か。

 橋はいわき市の都市計画道路内郷駅平線の東端に架けられた。神谷を起点にすれば、橋を渡って少し行ったところに葬祭場がある。今までは通夜・告別式へと、いったん街へ出てから反時計回りに車を走らせたが、これからは時計回りに行くことができる。そんなに時間が短縮されるわけではない。が、交通量が少ない分、気持ちが楽になる。

 葬祭場の先に、冬になると郡山の阿久津曲がりネギを売るスーパーがある。最近、建て替えられた。買い物がてらのぞいた帰りに、新しい橋を渡ったのだった。

 今のところは橋が架かって新しい抜け道ができた、といったプラスの感覚だが、やがて橋の存在が知られ、交通量が増えると、抜け道の価値は薄れてただの道になる。

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