2014年7月22日火曜日

ムラサキツユクサ

 ムラサキツユクサの花=写真=がきれいだったので、思わずカメラを向けた。夏井川渓谷にある隠居(無量庵)の玄関わきに咲いていた。去年(2013年)の師走に隠居の庭が全面除染された。庭木はそのまま残された。灌木の根元で眠っていたのだろう。

 3・11から最初の夏がきて、ムラサキツユクサの花が話題になったことがある。そのことを思い出してネットで検索した。

 それによると、ムラサキツユクサの花の雄しべには花弁と同じ青紫色の細い毛がたくさん生えている。放射能を浴びると、その毛の一部がピンク色になることがある。放射能汚染の指標植物としてムラサキツユクサがクローズアップされたのだった。

 老眼には雄しべの細い毛の変化がわからない。ましてや、顕微鏡などは持っていない。1年たち、2年たつうちに特異な現象は忘れて、ただのムラサキツユクサの花に戻った。撮った写真を拡大すると、確かに雄しべが細い毛で包まれている。不思議な構造に目を見張った。

 ネジバナのことも書いておこう。隠居の庭は土が5センチほどはぎとられ、代わって山砂が敷き詰められた。たくさんあったネジバナは、それで姿を消した。しばらく出てこないだろうとあきらめていたら、庭の真ん中にポツンと1本立ち上がり、花を咲かせていた。庭を行き来しているうちに、踏みつぶしそうになってわかった。「負けない」象徴だ。

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