2014年7月28日月曜日

夏座敷を吹き抜ける谷風

 きのうの日曜日(7月27日)は早朝、小川のまちで用事をすませたあと、午後2時まで夏井川渓谷の隠居(無量庵)で過ごした。
 
 暑くて寝苦しい夜が明けて、またカンカン照りが始まった。車の窓を全開にして郊外の水田地帯を駆け抜けた。少しも涼しさを感じられなかった。渓谷に入れば、延々と緑陰が続く。空気がひんやりしている。

 隠居では外の作業を休んだ。草を引くとか、秋野菜用に石灰をまくとか、仕事はあるのだが、熱中症を避ける気持ちが勝った。カミサンの指示で部屋を「夏座敷」に替えた=写真=あとは、寝転んで本を読んだ。
 
 谷間の空気が太陽に熱せられる。と、次第に天然のエアコンが作動し、涼しい谷風が夏座敷を吹きぬけるようになる。タオルケットを掛けないと、背中が風邪を引きそうだ。この涼感は、わが家では得られない。
 
 日本の夏は熱帯並みの暑さになる。油照りが続くと、決まって昔読んだフランス文学の一節を思い出す。確か、エジプトの話だった。エジプトでは、人は日中あまり働かず、夜になって活発に動き出す。そういった気候・風土、社会を描いた紀行文学だった。昼間働かないからといって人は怠惰なわけではない、世界には夜型の国・地域もある――少年の心に暑い異国の夜が刻みつけられた。
 
 きのうは浜通りの中部、浪江町で最高気温が33・6度に達したと、今朝の新聞が報じている。原発事故をおこした「1F」での作業の苛烈さを思う。きょうも暑くなりそうだ。

0 件のコメント: