2014年8月19日火曜日

ガラス戸のチョウ

 夏井川渓谷の隠居(無量庵)へ行くたびに、なにか“発見”がある。おととい(8月17日)は、縁側のガラス戸にチョウが止まって“吸水”していた=写真。なぜ、ガラスで? 急いで写真を撮った。

 野外では、花に止まっているチョウをよく見かける。翅を閉じていれば裏側の半分が、開いていれば表側(背面)の全部が目に入る。図鑑もその視点でつくられている。
 
 ガラス戸をはさんで、たまたま外にチョウが、中に人がいた。透明なガラスのおかげで、“吸水”中のチョウの様子を脚の方から見ることができた。花とチョウの関係でいえば、花の視点だ。花はこうしてチョウをながめているのか。

 しかも、このチョウは吸収管(口吻=こうふん)を伸ばす相手が、花ではなくガラスだった。ガラスの表面にはちりが付着している。なにか勘違いをしたのだろうか。それとも、栄養になるようなものが付いていたのだろうか。
 
 わが家へ帰って写真をパソコンに取り込み、拡大したら、翅の模様は茶、黒、そこに白い点々。吸収管は黄色で、脚は4本しかない。3対のはずだが、1対はどこに? 退化して目立たなくなったのか。

 ネットで調べると、チョウはタテハチョウ科のイチモンジらしい。成虫は主に渓流などの樹林周辺に生息するという。またひとつ、森の神さまから溪谷の“先住民”を教えられた。

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