2014年8月20日水曜日

辛み大根の種

 茶の間にある資料を片づけていたら、辛み大根の莢(さや)が入った封筒が出てきた。莢はこぶ状で、爪をたてると“発泡スチロール”状の殻が裂け、中から直径1ミリ余の“赤玉”が現れた。数えたらおよそ100粒ある=写真。

 2012年夏、知人から会津産の辛み大根の莢が届いた。三春ネギ以外の野菜は栽培をやめようかと、逡巡しているときだった。知人は津波被害に遭い、内陸部の借り上げ住宅で暮らしながら、家庭菜園に精を出していた。「なにメソメソしてんのよ」。はっぱをかけられ、元気をもらって、震災後初めて三春ネギ以外の種をまいた。その残りの莢だ。
 
 2年前は通常の大根より1カ月余り種をまくのが遅れた。冬に収穫したが、未熟なものが多かった。それでもさすがに辛み大根である。おろすと、驚くほど辛かった。

 知人のもとに届いたのが2010年。知人がその種から栽培~収穫・播種を行ったか、莢のまま保存していたかは、今となってはあいまいだが、外見上は種の命はまだ十分保たれているように思われた。
 
 せっかく目の前に現れた辛み大根の種だ。日曜日(8月17日)に夏井川渓谷の隠居(無量庵)へ出かけ、全面除染で一度姿を消した菜園の一角に種をまいた。芽生えなくてもかまわない、芽生えれば最高――大根の種の生命力、高い発芽率にかけてみることにした。

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