2014年9月19日金曜日

庭のコスモス

 コスモスはこぼれ種でも増える。わが家の庭に3つ、4つ、コスモスが生え、生長して、花を咲かせるようになった=写真。どこからか種が飛んできたのだ。「ふっつぇコスモス」だ。

 もう6年以上前になる。当ブログで「ふっつぇ」と「やご」について書いた。「ふっつぇ」とは「どこからともなく種が飛んできて、知らぬ間に自然に生えること」(いわき市教委編『いわきの方言調査報告書』2003年)だという。

 夏井川渓谷の小集落に隠居(無量庵)がある。そこで小さな菜園を始めたら、ミツバが勝手に生えてきた。一度種をまいたシソは、それから毎年、勝手に生えてくる。土中に残ったジャガイモの小玉も、春になると芽を出す。それを「ふっつぇ」という、と住民に教えられた。

「やご」は、同じく『いわきの方言調査報告書』によれば、「植物の切り株から出る新芽・新しい枝」のことだ。たとえば、春の白菜の菜の花。花芽が次々に現れる。それを食べたいばかりに、わざわざ白菜の種まきを遅らせる人がいる。この方言も、やはり溪谷の住民から教えられた。

 ついでながら、「やご」と聞くと、トンボのヤゴ(幼虫)を連想してしまう。関連はあるのかないのか。気になってしかたがない。

 さて、いったんは除染されて山砂が敷き詰められた渓谷の隠居の庭だが、そちらには「ふっつぇコスモス」は出なかった。「ふっつぇシソ」だけが間引きをしないといけないくらいに現れた。今は花穂も伸び、実ジソを収穫できる段階になった。花を見るといつも植物の不思議を思う。

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