2014年9月9日火曜日

棒ささら

 日曜日(9月7日)午後、小名浜港のアクアマリンパーク・親水テラスで――。白足袋が汚れていた。「どこかで練習してきたんじゃないの」「汚れるようなとこ、ないでしょ」。夫婦で適当なことを言いながら、岡小名ささら保存会による演技を見た=写真。棒術のほかに獅子舞が披露された。

 6、7日と同パークを会場に、「おいしいふくしまいただきますフエスティバル2014」が開かれた。福島県と「ふくしまからはじめよう。『食』と『ふるさと』新生運動推進本部」が主催した。7日、わが地域の市民体育祭が雨で1週間延期になったので、急に時間ができた。雨もやんだ。「昼メシでも」と港へ出かけたのだった。
 
「県内最大級の食の祭典」には、浜・中・会津の3地域から食がらみの120ブースが並んだ。人出がすごかった。会場そばの駐車場は「満車」「満車」「満車」の札をもったスタッフがいて、会場から遠い工場の空き地に車を止めて、延々と歩いた。
 
 どのブースにも長い列ができていた。パッと見には10人くらいなのが、テントの陰にも折れ曲がって並んでいる。「最後尾」まで30~40人というところが多かった。並んで待つのが苦手なので、会場で食べるのはあきらめ、アクアマリンパークの東端(1号埠頭)にある「いわき・ら・ら・ミュウ」でラーメンをすすった。
 
 そのあと、目の前の親水テラスに出たら、ささらと獅子舞の告知看板が目に入った。待つこと30分。冒頭に書いた保存会の一行が、ら・ら・ミュウの中から現れた。

 なぜ白足袋が汚れていたのか。8日付のいわき民報でわかった。小名浜諏訪神社で7日、「夏祭りささら奉納」が行われた。練習ではなく、境内で本番を演じた足で港へやって来たのだ。すでに1人、陶酔状態の人がいた。あとでひょっとこのお面をかぶり、木彫りのイチモツを手に、観客に愛想を振りまいた。

 ささらは、農民が護身のために身に付けた棒術が中心だという。子どもが棒対棒を、おとなが棒対棒のほかに、刀対刀、棒対唐傘、刀対鎖鎌を披露した。バシッと打ち合うときには、足首あたりの筋肉が仁王様のように浮き彫りになった。獅子舞もそうだが、郷土芸能は結構、ハードなものが多い。真剣だからこそ魅力があるのだろう。

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