2014年10月14日火曜日

ネギ発芽

 10月5日に三春ネギの種をまいてから1週間余。おととい(10月12日)、夏井川溪谷の隠居(無量庵)へ様子を見に行った。庭の一角に苗床をつくり、筋まきをしたら、それに沿って表面の土が割れ、小さな溝ができていた。

 溝をつぶさにチェックする。1カ所に緑色の点があった。大きさは縫い針の頭ほど。砂粒より小さい。写真を撮って拡大すると、発芽しつつあるネギの苗だった=写真。

 ネギの発芽過程は不思議に満ちている。黒い種が薄く土のふとんをかぶって、地中2~3ミリのところで眠っている。やがて種から幼根があらわれる。幼根は上昇しかけるとすぐ屈曲して地中に深く根を伸ばす。

 人間が仰向けに寝た状態のまま膝を折ると山形になるのと似ている。その山形のまま、ふとんを突き破るのがネギの目覚め方だ。
 
 たとえれば、人間の足先が幼根となり、太ももが茎となる。黒い種の殻は頭で、そのまま茎とつながってふとんを突き破り、地表にあらわれる。数字で言えば「7」、記号で言えば「?」のかたち。それが、やがてまっすぐになって空をめざすようになる。レイチェル・カーソンのいう「センス・オブ・ワンダー」(不思議さに目を見張る感性)に包まれるときだ。
 
 種をまくとすぐ台風18号がやって来た。雨にたたかれて種のふとんがはがされていないか、気になって播種2日後の7日に出かけた。大丈夫だった。そしておととい、無事に種が目覚めつつあるのを確かめた。
 
 いわきの小中学校は、きょう(10月14日)は台風19号の影響で繰り下げ授業になり、子どもたちは午前10時に登校する。6時すぎに起きると雨がやんでいた。風もまもなくおさまった。新聞は? そうだった、休刊日だ。配達員にはいい骨休めになった。
 
 ネギの苗床はどうだろう。前回は気をもんだが、あれだけの大雨でも無事だった。弱いようで強く、強いようで弱いのが地ネギだ。今回は少しも心配していない。種はまだあらかた土のふとんに守られている。

0 件のコメント: