2014年10月18日土曜日

モグラ復活

 夏井川渓谷の隠居(無量庵)の庭が全面除染されて間もなく11カ月。天然芝の庭土ははぎとられ、山砂が敷き詰められた。地中のいきものが復活するには時間がかかる――と思っていたら、意外と早かった。モグラ道ができて、土が盛り上がっていた=写真。
 
 除染前、庭を天然芝が覆い、ところどころコケが生えていた。もう4年も前のことだが、庭で休んでいると、足元を動く黒いかたまりが目に入った。頭胴長およそ7センチ。ノネズミ大のモグラ(ヒミズ?)だった。

 ぼろぼろになりかけたテーブルの丸太の脚のわきに出入りする穴があった。そこからとがった肉色の鼻をひくひくさせては地表に現れ、絶えずコケの間を動き回っている。カメラのシャッター音にも驚いて穴に引っこむほど、おどおど、びくびくしていた。

 地表すれすれのところでは、モグラ道ができると土が盛り上がる。種をまいたり、苗を植えたりしたあとのうねがそうなったらコトだ。根が地中の空洞=モグラ道にさらされ、枯れることがある。
 
 8月中旬に種をまいた辛み大根の小さなうねにも一部、モグラ道ができた。足で踏みかためたが、それで終わりという保証はない。踏み固めたあとにまたジグザグの盛り上がりができることがある。
 
 除染後、庭に最初に現れたのは除去を免れたスイセンだった。その後、スギナが現れ、シソがいくつも芽を出した。ツチグリの菌糸は消えたらしく、梅雨になっても幼菌(マメダンゴ)は形成されなかった。そして、今度はモグラ道。ミミズも少しずつ戻って来たのだろう。

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