2014年10月20日月曜日

大挙飛来

 先週の日曜日(10月12日)、平の中平窪と赤井に架かる久太夫橋から夏井川のすぐ下流、ハクチョウの越冬地を眺めたら、白く大きな鳥が休んでいた。ハクチョウらしい、ということをブログに書いた。14日は台風19号の影響で大水になった。15日は「寒かった。中神谷の夏井川にもそろそろハクチョウが飛来することだろう。川から目が離せない」とも付け加えた。

 そのあとすぐ、久太夫橋からそう遠くない所に住む若い友人が、フェイスブックにハクチョウの飛翔写真を投稿した。この秋の初飛来を確認した。

 きのう(10月19日)の朝、夏井川渓谷の隠居(無量庵)へ行く途中に越冬地の岸辺に立った。ハクチョウが大挙飛来していた。数えたら、ざっと100羽。林に隠れて見えない下流からも声が聞こえる。あとで久太夫橋から見ると、大群とは別に20~30羽のグループがいた。

 あらかたは長旅の疲れからか、砂地に座り込み、あるいは1本脚で仮眠している=写真。近づくとハッと首をあげ、立ち上がったり、2本脚になったりして浅瀬へ移動するものもあった。

 急にはばたいたものがいる。たちまち緊張が走り、何羽かがあわててはばたきながら動き出したり、声を発したりした。人間との距離感を測っていたのだろう。一定の距離を保つと、警戒しながらもじっとして、静かになった。

 ハクチョウは、地元メディアには欠かせない季節のネタだ。月並みながら「冬の使者到来」が読者をひきつける。去年はしかし、記事にはならなかった。記者が自然情報に鈍感になったのか、ハクチョウ到来を伝える地元の人がいなくなったのか。「読者が新聞から離れたのではなく、新聞が読者から離れたのだ」。アメリカの紙媒体の衰退について言われる言葉だが……。

 さて、夏井川溪谷では「ヒッヒ、カタカタ」という冬鳥のジョウビタキの鳴き声を聞いた。小さな野の鳥も北国から渡って来たのだ。

 隠居からの帰り、いわき市の夏井川の第3の越冬地(小川町三島)を見ると、ハクチョウの姿はなかった。第2の越冬地(平塩~中神谷)には、2羽が羽を休めていた。いよいよ川から目が離せない。

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