2014年10月24日金曜日

車道の盲導犬

 内郷の保健福祉センターの近くを車で移動しているときだった。盲導犬が車道をこちらに向かってやって来る。あわてて対向車線にハンドルを切り、犬と黒いサングラスのパートナーを避けた。
 
 なぜ車道を? 歩道にバンタイプの車が止まっていた。そばの空き地で男性が草刈りをしていた。広い歩道だが、でんと行く手を遮られては、盲導犬も車道に出て進むしかなかったのだ。
 
 その結果、盲動犬とパートナーが車にはねられたら、誰が責任を取るのか。はねたドライバーか。歩道に車を止めた人間に責任はないのか。

 2009年7月下旬の日曜日、いわき市立草野心平記念文学館でくどうなおこさんの企画展にちなむ、絵本の読み聞かせが開かれた。いわき絵本と朗読の会のイベントだった。ロビーに2匹の盲導犬が座っていた=写真。パートナーが朗読を聴きに来たのだろう。

 以下は、当時の小欄の一部。飼い主の関係者と思われる人がいすに座り、ハーネス(犬が体に付けている白い胴輪)に結んだリードを膝にかけていた。「写真を撮ってもいいですか」「どうぞ、どうぞ」。いろいろ話を聞いた。

 犬種はラブラドール・レトリバー。1匹は16歳、人間でいえばかなりの高齢だ。年のために床にへばりついている。若い犬はいかにも体力十分といった風情で首をスッと上げている。へばっていようと、元気だろうと、ハーネスを付けているときは「仕事をしている」とき。緊張して待機しているのだという――。
 
 歩道は歩道、駐車場ではない。盲導犬は歩行者への想像力を欠く人間の身勝手な行動に、強いストレスを感じたにちがいない。

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