2014年10月5日日曜日

見るラジオ・聴くテレビ

 おととい(10月3日)の夜、7時半。岩手・宮城・福島限定でNHK総合で「ラジオのチカラTV」が放送された。<前代未聞!民放DJと贈るラジオな時間>と新聞の番組表にあった。
 
 NHK仙台・加藤成史、IBCラジオ・大塚富夫、デイトエフエム・石垣のりこ、FMいわき・ベティさんのパーソナリティー4人が出演した=写真。
 
 東日本大震災で「ラジオのチカラ」が再認識された。FMいわきの場合は、発災直後から24時間体制で災害放送に切り替え、「豊間の○○荘の入居者は全員無事という情報が入りました」「「江名の○○さんは江名小に避難しています」といった安否情報、あるいは生活情報を流し続けた。
 
 その情報を伝えたパーソナリティーの1人がベティさんだった。『HOPE2 東日本大震災いわき130人の証言』(いわき市海岸保全を考える会、2011年10月刊)に彼女のことばが載る。

「今、心に残っているのは『大津波警報』という単語と『この情報がほしい人にちゃんと伝わりますように』という祈りみたいな感覚。伝えなくてはいけないというより、伝われ、伝われ、伝われと、ずっと念仏のように心の中で唱えていた」

 最初に読んだとき、発信者としての彼女の真情に打たれた。3年半前の非常事態を思い出しながら、テレビを見た。

 番組は関係するラジオでも流された。テレビ自身も一時、画面を仙台の夜景に切り替え、「ラジオのつもりでお聴きください」という字幕を重ねた。見るラジオ・聴くテレビだ。FMいわきもかけたら、テレビより2秒くらい速い。両方同時の聴取・視聴は無理だった。
 
 テレビは、7時55分には終わった。ラジオはそのあと9時まで続いた。テレビからラジオに切り替えると、なんだか話の流れが軽くのびやかになった。テレビは想像力を刺激するラジオと違って、いろいろ見せないといけない。そのための指示を見落とすまいと、よけいな神経を使う――そんなことが作用しているのではないか、なんて思った。
 
 面白い企画だった。それこそ前代未聞だから、こちらも面白がってテレビとラジオを同時に聴いたりしたのだった。

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