2014年11月2日日曜日

マサキとミノウスバ

 風呂場の天井直下に通気口が2つ並んである。あるとき、そこからスズメが2羽入り込んで休んでいた。私がドアを開けると慌てて飛び回り、やがて通気口から外へと脱出した。後日、小さなガの一種、ミノウスバの成虫が浴槽のふたの上に止まっていた。やはり通気口を伝って中に入り込んだのだろう。

 ミノウスバの成虫が現れたということは、生け垣のマサキの枝に止まって交尾・産卵が行われているということだ。外に出てマサキを見ると、そこかしこにミノウスバの成虫が止まっていた=写真。

 去年はちょうどきょう(11月2日)、その成虫の出現に気づいた。首都圏からの被災地ツアーの一行を自宅前で待っていたとき、ミノウスバが帽子からこぼれ落ちた。すぐ家の周りの生け垣をチェックすると、ミノウスバが飛び交い、マサキの枝先で産卵していた。

 卵はそのまま冬を越し、マサキの新芽が膨らみ始める春の終わりごろに孵化する。幼虫は最初、かたまって新芽を食べているが、成長するにつれて木全体に散らばり、さらに激しく若葉を食害する。5月中旬にはマサキを離れ、石の裏などに繭をつくって蛹化し、晩秋に羽化して成虫になり、再び産卵が始まる。

 幼虫が木全体に散開する前に退治しないと、葉を食べつくされる。それでも足りないと幼虫は別の木を探すのだろう。虫が嫌いな隣家に移動して苦情を言われたこともある。
 
 予防策は簡単だ。産卵が終わったころを見計らって、その枝の部分だけをカットする。今年は先週の金曜日にそれをやった。小一時間で作業は終わり、枝の量も小さな買い物袋ひとつですんだ。これをやらずに年を越し、晩春を迎えると、ごみ袋に3つも4つも枝を詰め込まないといけなくなる。

 ミノウスバは、別の個体が遅れて現れては産卵する、といった「時間差攻撃」をしかけてくる印象がある。小春日にときどきマサキを観察することで、産卵の有無がわかる。成虫が姿を消し、産卵枝がなくなれば、来年のマサキの無事が確認できる。

 小事のうちに問題の芽を摘んでおく。そうとわかっていても、たいてい<まだいいや>となって、やがてとんでもないことになる。今回は今のところスムーズだ。

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