2014年11月24日月曜日

「花植え」だったんだ

 交流スペース「ぶらっと」に、福島県・浜通りの自治体の広報紙が置いてある。広報「とみおか」は、裏表紙が「マイ・フォト・レター」。11月号は「ふるさと復興への第一歩 住民と除染作業員が花植えで交流(杉内行政区)」=写真=と、「ふたばワールド2014inかわうち」の2つが載った。「花植え」の記事を読んで、<あの日のこと>を思い出した。

 日曜日と秋分の日にはさまれた9月22日、父親の27回忌のために田村市常葉町の実家へ帰った。その1週間前、乗用車に限って国道6号の全線通行が可能になった。それで、6号を北上し、富岡町から県道小野富岡線を利用して川内村へ入り、さらに田村市都路町古道で国道288号に出るルートをとった。

 県道小野富岡線といわき浪江線(通称・山麓線)が交差するあたりが杉内らしいことは、ネットで調べてわかった。その県道小野富岡線沿いで同日、住民が花壇の手入れをしていた。同じ富岡町内でも市街から離れた田園地帯だ。そこに住民自体が集まっていることに驚いた。

 記事にはこうあった。9月22日、杉内地区の県道沿いの除染を終えた花壇で、県内の避難先から参加した住民と、同地区で除染を行うJV(ジョイント・ベンチャー=共同企業体)の作業員による花植えが行われた。植えた花はコスモス、ニチニチソウ、ケイトウなど。杉内地区では震災前、毎年春に花植えを行ってきた。3年半ぶりの花植えになった。

 広報紙の写真で数えたら、住民・JV側合わせて39人が参加したようだ。区長さんは、これから除染作業が本格化するなか、「花植えを一緒に行い、住民と作業員のコミュニケーションを深めることで、トラブルなどの防止につながる。住民が集まる機会としても継続していきたい」と語っている。

 富岡町で花植えをする人たちに遭遇したあと、田村市都路町と常葉町の境にある峠(サカイノクキ=国道288号)で手入れされた花壇に出合い、思わず写真を撮った。人の手が入らないと、花壇は、家の庭は、田畑は、山はたちまち荒れる。そうはさせない、しない、という住民の意思が花壇から感じられたのだった。

0 件のコメント: