2014年12月31日水曜日

キノコ2014

 土曜日(12月27日)の夜、平の街なかでいわきキノコ同好会の総会・懇親会が開かれた。キノコの観察・研究が主目的の会だが、食べることにも情熱を傾けている。

 しかし、今年もウツウツとしたまま1年が過ぎた。2、3回は森に入って“キノコ撮り”をしたが、野生キノコを口にすることはなかった。年3回の観察会も、山の斜面を上ると息が切れるので不参加が続いている。
 
 テレビに映るトリュフやポルティーニに引きつけられる。それで森を巡ったつもりになり、スーパーで売っている栽培ナメコでそのときどきの野生キノコを食べたつもりになる。きのう(12月30日)の福島民報は1面トップで「野生キノコ出荷制限 1年目検査クリア3町村 森林除染なく手続き厳格」と報じていた=写真。福島県内の林産物は相変わらず厳しい状況が続いている。
 
 懇親会に先立ち、冨田武子会長が「今年のキノコ」と題して話した。ヌメリツバタケモドキ、シブイロスギタケ(珍菌)、キヒラタケ(いわき市初確認)、ルリハツタケ……。手元の図鑑には載っていないキノコばかりだ。菌界は奥が深い。
 
 懇親会に入ってからはキノコ談議が続いた。1人ひとりの近況報告タイムもある。キノコ情報を得るまたとないチャンスだ。

 真向かいの人と放射能の話になった。落ち葉分解菌はベクレルが高い。地表から浅いところに埋もれているマメダンゴ(ツチグリ幼菌)も高そうだという。より深いところから姿を現すキノコは相対的に低い。
 
 キロ換算のベクレルも、実際に食べる量でいえば何分の1、何十分の1になる。たとえば、マツタケ。1本50グラム前後だから、ベクレルは20分の1だ。高級菌をガツガツ食べられるはずもないが、冷静と情熱の間で「食べる」「食べない」を判断しているようだ。

 定点観察・採取を続けてわかったこととして、「秋キノコの発生が10日から15日ほど早まっているようだ」。今年はマツタケがそうだったという。シロへ出かけたら既にバクサレていたとか。

 最後は「一本締め」で散会したが、キノコ脳になっていたために発声が「イッポンシメジ」と聞こえた。「最後はイッポンシメジです」と反射的に言うと、「今度はセンボンシメジ(千本締め)で」と応じる人がいた。

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