2015年1月23日金曜日

NHK東北Z(上)

 放送から1週間。番組に刺激を受けて、ときどき、ネットで阿武隈高地の放射能関連情報を集めている(その話はあした)。

1月16日夜、NHKの東北限定番組・東北Z「生命(いのち)に何が起きているのか――阿武隈山地・科学者たちの挑戦」=写真=が放送された(「高地」ではなく「山地」にこだわる理由があるのだろう)。

 NHKは、通常のニュース報道のほかに、NHKスペシャル、ETV特集といった、ディレクターによる調査報道を手がけている。今度の<東北Z>のディレクターに記憶があった。震災直後、初めて阿武隈高地の放射能汚染を明らかにしたETV特集取材班のディレクターの1人だった。継続して取材をしていることに敬意を表するとともに、NHKの取材陣の層の厚さに感じ入った。
 
 番組の案内文をかみくだくと――。原発事故で放射能に汚染された阿武隈の森は、今、世界的に注目されるフィールドとなった。長期にわたる低線量被曝は生物にどんな影響を与えるのか。研究者が森に分け入り、細胞・遺伝子レベルでの影響の有無を調べている。住民とともに調査した3年間の記録だ。ウグイス・牛・ヤマメなどが取り上げられた。
 
 阿武隈はわが先祖の墳墓の地。調査に協力した飯舘村民が言う。「人生が狂った、春は山菜、夏は釣り、秋はキノコ……(それができなくなった)」「何の楽しみもなくなった」。自然の恵みを暮らしの中に取り入れて生きてきた山里の人々の胸中を思うと、怒りがわいてくる。
 
 浪江町の牧場では、牛を安楽死させたこともある。その牛も調査に供された。しかし、それでも5~10年、調査を続けないと評価はできないという。地道な調査の「現況報告」だった。
 
 阿武隈高地で生まれ育った人間としては、とにかく科学的・客観的なデータが欲しい。わかったこと、わからないことを踏まえて伝える番組に好感が持てた。

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