2015年3月27日金曜日

「竹のクビリ」

 先日、震災後初めて大熊町の国道288号を通った。熊川水系の野上川渓谷に沿って田村市へと駆け上がる。分水嶺から一つ手前の峠が町と市の境になっている。境界を示す市と町の塔が向かい合っていた=写真。
 福島県を南北に縦断する阿武隈高地の東側は、川がV字谷をつくって太平洋へと一気に駆け下る。野上川渓谷も、わが隠居のあるいわき市夏井川渓谷同様、春の芽吹きと秋の紅葉が素晴らしいことだろう。

 大熊町の境界塔は、マスコットキャラクターの熊の「おおちゃん」と「くうちゃん」の兄弟を描いたものだ。兄がサケを、弟がナシとキウイフルーツらしいものが入った籠を手にしている。ナシが1個、籠からこぼれ落ちているところがかわいい。「フルーツの香り漂うロマンの里おおくま」という町のキャッチフレーズ板も付いている。

 手前に立つ標識は、その道路が国道288号であることを示している。数字の下、地名を表す補助標識に目を見張った。「大熊町/竹のクビリ」。くびり? くびれ? ネットで大熊町の地名をチェックしたが、よくわからなかった。大字は野上のようだが、小字にはしかし「竹のクビリ」は出てこない。通称地名か。

 大熊町の人に聞くのが一番だが、浜通りはいわきと同じく、どこの自治体でもハマ・マチ・ヤマの違いがあるのではないか。大熊のハマやマチから避難している人に、西の果ての山中の通称地名を尋ねてもたぶんわからないだろう。

 私は「ニーパーパー(288)」を通るだけの人間で、大熊には土地鑑がない。が、「竹のクビリ」はわが生まれ育った阿武隈の地名のひとつにはちがいない。いわき総合図書館へ行って『大熊町史』をめくったり、地名辞典に当たったりしながら、いつかは「?」を「!」にしたい。とにかく気になってしかたがなくなった。

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