2015年4月5日日曜日

アカヤシオ咲く

 きのう(4月4日)夕方、夏井川渓谷の隠居へ出かけた。半月見ない間に、渓谷の斜面はアカヤシオ(イワツツジ)の花で彩られていた=写真。岸辺の木々も一部、芽吹いていた。
 週末だけの“半住民”である。1週間単位で見ていれば、アカヤシオがどのへんから咲きだし、斜面のどの部分までピンク色に染まったか、といった経緯がわかる。ところが、今年は開花が早かったのと、半月ぶりの渓谷行だったために、いきなり満開のアカヤシオと木々の芽吹きに出くわした。開花と芽吹きを同時に見るのは初めてだ。

 花冷えの一日だった。夕方だから、行楽の車はもうないだろうと思っていたが、5時近くまで「錦展望台」に人が絶えなかった。展望台は隠居の隣にある。時折、家の中まで車のドアの開け閉め音、人語が響いた。

 渓谷の尾根は何段か重なりながら奥山へ続いている。満開なのは岸辺の前山。奥山には、花は少ししか見られなかった。となると、今度の週末が花のピークだろう。

 隠居のある牛小川は10世帯にも満たない小集落だ。住民がはかって、アカヤシオの花が見ごろの日曜日に「春日様」のお祭りをする。4月の中旬になることが多い。今年は12日か。祭礼日が決まれば、“半住民”にも連絡がくる。

 祭り当日は午前10時に集まり、集落の裏山にある春日神社をお参りしたあと、仲間の旅館をヤドに「なおらい」が行われる。私にとっては数少ない住民との語らいの場だ。イノシシその他、集落周辺にすむ動植物やキノコの話になることが多い。牛小川の「自然と人間の関係」がわかっておもしろい。
 
 さて、今年の行楽客はどうか。4年前は3・11直後だっただけに、アカヤシオ目当ての車は皆無だった。年々行楽客は戻っているが、路上に駐車して交通に支障をきたすという状況にはなっていない。路上駐車は迷惑だが、それがにぎわいの目安になっていたことも事実だ。
 
 帰りは、枝垂れザクラのライトアップで人気がうなぎ上りの小川・諏訪神社の前を通った。家並みの続く通りに出ると、車の往来を確かめずに斜め横断をする男性がいた。足元がおぼつかない。どこかで「花の宴」でもした帰りだろうか。ドライバーはこの時期、要注意だ。
 
 街ではソメイヨシノ、渓谷ではアカヤシオ。爛漫の春になったが、きょう、日曜日の天気は「雨、ときどき曇り」。早朝5時すぎには最初のパラパラがやってきた。

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