2015年5月6日水曜日

あぶくま行③県道小野富岡線

 主に田村市の実家への行き返りに、いわきの山あいの道路を利用する。それでも広域都市ゆえに、初めての道、何年ぶりかの道というのがある。そのひとつ、県道小野富岡線を車で走るのは初めてだった。なぜいわきの山奥にあんな立派な道路ができたのか――市街地に住む人間はそんな感覚に襲われるはずだ。
 2015年3月下旬、県道小野富岡線の吉間田(よしまだ)工区2キロ=いわき市川前町下桶売地内=が完成し、開通式が行われた。川前から川内村の上川内へ出るルートのひとつで、市・村境の手前で県道上川内川前線と合流する。その合流部にバイパスが設けられた。
 
 5月3日に川内村へ出かけた帰り、バイパスを利用して川前の「いこいの里鬼ケ城」へ寄った。新たな視点場(ビューポイント)になる橋が2つ。そのへんだけ灰色で横溝の入った10本の帯状の路面になっている=写真。凍結スリップを防ぐための特殊な舗装というのが、これなのだろう。
 
 早くも橋のガードパイプの1本がへし曲がっていた。桶売地区は標高500メートル前後。4月に入って雪が降ったから、そのときにスリップしたか。それともイノシシが現れたためにハンドルを切り損ねたか。あるいは、酒酔い運転? あれこれ想像をたくましくした。
 
 この道は県の「ふくしま復興再生道路」に位置づけられている。原発事故による双葉郡の避難指示区域などと周辺の主要都市などを結ぶ主な路線のひとつだ。いわき市内ではこの道と重なる県道吉間田滝根線のほか、小川町から最も険しい山中を縦断して川内村~田村市都路町~葛尾村~浪江町~飯舘村を抜ける国道399号、常磐道と小名浜港を直結する「小名浜道路」も、復興再生道路に入っている。
 
 県道小野富岡線は2014年9月15日、通行止めになっていた双葉郡内の区間が一般に開放され、全線の通行が可能になった。直後に富岡町~川内村経由で田村市常葉町の実家へ帰った。今度また、川内からいわき市内の同線を利用した。利用した区間をつないでみると、各地に避難している人々の帰還を後押しする重要な路線であることが実感できた。

 この道は鬼ケ城山の北側を通る。南側山腹の「いわきの里鬼ケ城」へ行くには途中で左折しないといけない。うっかり道路標識にしたがって小野方面へ右折したら、大滝根山のふもとへ出た。田村市の標識があった。
 
 それから先のルートは頭に入っている。滝根町へと駆け下り、JR磐越東線の踏切を越え、線路に沿って神俣駅を過ぎたあたりで右折し、山を越えると小野町の飯豊地区で国道349号にぶつかる。磐越道小野ICとあぶくま高原道路の入り口は目と鼻の先だ。
 
 川内の村長さんは「川内村にとっても中通りに通じる生命線」だといっていたが、いざというときにはいのちを守る「避難路」にもなる。

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