2015年9月26日土曜日

リコール修理

 ホンダからマイカー(フィット)のリコール修理の「おわびとお願い」の知らせが来た=写真。
 エアバッグのインフレータ(膨張装置)の中から、正常に展開しない恐れがある内部部品(ガス発生剤)が見つかった。「想定しうる被害を未然に防ぐための予防的措置として、該当の内部部品を新品へと交換するリコール修理(無料)を実施」する、とあった。要するに、事故を起こしたとき、エアバッグがちゃんと開かないかもしれない、生死に影響するかもしれない、ということだろう。
 
 最寄りのホンダ販売店へ行ったら、在庫があるのでいつでも交換できるという。ではと予約して、翌日のきのう(9月25日)、新品と交換した。

 前にも同じフィットでリコールがあった。「ヘッドライトが点灯しなくなるおそれがある、ついては部品を交換する」。同じ販売店で交換した。自分のブログを見たら、4年半前のことだった。

 フォルクスワーゲンのディーゼル車排出ガス不正が発覚した。世界で1100万台だという。当然、リコールの対象になる、フォルクスワーゲンはこれで傾く――そんな思いをいだいた。環境と経済の調和を追究し、現時点で開発された最良のディーゼル車が、実は犯罪的なごまかしをしていた。それも1万台や2万台ではない、ケタ違いの数だ――とだれもが思ったことだろう。

 たまたま車に詳しい若い友人がやってきた。事態は深刻という認識で一致した。リコール費用、各国からの制裁金、損害賠償訴訟と、底なし沼が待っている。「政府(ドイツ)が救済するしかないでしょう」「ドイツの東電か」「いや、それ以上だと思います」。ひとりフォルクスワーゲンだけの問題か、ほかに広がらないか。疑問はふくらむ一方だ。

〈原発がおかしくなるのではないか〉と震えたのは、あの日の夕方だった。皮膚感覚で「避難しないと」と思った。一時避難した。以来,史上最大の公害問題と向き合わなくてはいけなくなった。哲学者の内山節さんがいう「文明の災禍」だ。フォルクスワーゲンの世界的な不祥事にも「文明の敗北」を感じないではいられない。結局は倫理なき経済なのか。

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