2015年11月16日月曜日

白菜漬け試食

 11月8日にいわき市三和町の「ふれあい市場」で買った白菜2玉を八つ割りにして漬け込んだのが12日朝。すぐ水が上がり始め、14日には重しを半分にした。きのう(11月15日)朝、我慢できずに一つ取り出し、刻んで食卓に出した=写真。
 木の桶を使って漬けた。桶のすきまからじわっと汗のようにしみ出した水もあるが、14日には白菜全体が水につかった。

 漬物の原理はぬか漬けも白菜漬けも同じ。塩分の浸透圧が作用して白菜から水分が抜けてしんなりする。代わりに、白菜に昆布のうまみやかんきつ類の風味がしみ込む。塩がなじんだら食べごろだ。

 余談だが、いわきの新舞子海岸の黒松林が大津波を受けとめ、人的・物的被害を緩和しながらも、その後、かなり枯れたのは根っこからの塩分の浸透圧が原因、ということだった。陸前高田市の「奇跡の一本松」が枯れたのも同じだろう。
 
 この冬最初の白菜漬けは――。しんなり・さっぱりしてはいたが、甘みはあまり感じられなかった。小春日になったり雨になったりしながらも、わりあい温暖ななかで11月8日の「立冬」を迎えた。甘みを増すのは年が明けて厳寒期に入ってから。
 
 もっとも、「立冬」を感じるような状況ではなかった。11月に入るとすぐ吉野せい賞の表彰式、同期生の葬式と続き、来客や事務的な仕事も重なり、8日の日曜日には雨で歩こう会が中止になった。小春日の6日には、11月として初めて蚊に刺された。去年(2014年)までの記録では、10月20日ごろがチクリの最後だったが、一気に半月も延びた。

 冬になると、ぬか床も冷え込んでかき回すのがいやになる。白菜漬けまでのつなぎの大根が少し残っている。今冬最初の白菜漬けができ上がりつつあるので、この大根を取ったら、ぬか床は「塩のふとん」をかぶせて来春まで休ませよう。

 そうだった。きのうは敬愛するドクターの命日だった。朝、カミサンが床の間の仏壇もどきに線香をたてた。フランスで亡くなった人々も含めて、「万霊」を悼む気持ちで手を合わせた。

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