2015年12月28日月曜日

国道288号「山神ゲート」

 東日本大震災と原発事故から4年が過ぎた今年(2015年)3月下旬。いわき四倉ICから常磐道を北上し、常磐富岡ICで下りたあと県道いわき浪江線(通称・山麓線)経由で田村市常葉町の実家へと国道288号を西進した。
 今年3月1日に常磐富岡IC~浪江IC間が開通し、常磐道が全通した。それに伴い、常磐道へのアクセス道路として、山麓線経由で288号が通れるようになった。

 山麓線と288号は大熊町野上字山神(やまがみ)地内で交わる。288号の東側に「山神ゲート」=写真=があって、双葉・浪江町方面へは通行証がないと入れない。こちらは単に自由通行の身だ。西側へ向かうときにはゲート前を左折し、阿武隈高地からいわきへ戻るときには右折する。
 
 先日(12月22日)は、山神ゲート前経由で実家から帰ってきた。ゲートから1F(いちえふ)まで東へ直線距離で5~6キロだろうか。
 
 9カ月ぶりの大熊町だった。ダンプカーなどが増えていた。大川原地区など対象地域(避難指示解除準備区域・居住制限区域の生活圏と林縁部から森林側に20メートル入った部分)の除染は昨年までにすんでおり、次の段階に入ったのだろう。山神ゲートに近い大川原地区には3000人居住予定の復興拠点が整備さる。植物工場や給食センターなども建設されるそうだ。
 
 富岡町では、県道小野富岡線との交差点で常磐富岡ICへ左折するところを、そのまま直進してしまった。Uターンするのもシャクなので、えいっ、このままサンロク線を行っちゃえ――富岡から楢葉町へと進む。こちらは2年ぶりの通行だ。ハクチョウが越冬する上繁岡の大堤には(おとといも書いたが)、ハクチョウの姿はなかった。
 
 沿線の田んぼなどにフレコンバッグが積み上げられている。常磐道から見下ろす眺めと同じだが、目線が低い分、量的な広がりがある。それでも、木戸川近くでは木造の家だか施設だかの建築工事が行われていた。除染のほかに復旧、再生工事が始まったということなのだろう。
 
 広野町に入ると、広野ICの標識が見えた。そこからいわき中央ICまで常磐道を利用する。山麓線沿いの光景はどんどん変わりつつある。

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