2016年1月20日水曜日

「鳥」が見た隠居

 グーグルアースのおかげで簡単に「鳥」になれるようになった。空から見ると、夏井川渓谷にあるわが隠居は、庭がやけに白っぽい=写真。
 いわき市が業者に委託して放射線量を測ったら、全面除染の対象になった。 2013年の師走、隠居の庭の表土が5センチほどはぎとられ、山砂が投入された。今はスギナやスイセン、キノコのツチグリ(幼菌)などが復活したが、砂浜と変わらない。それが天空からはっきり見える。

 福島県内の中・浜通りで田畑や家の庭が異常に白っぽかったら、除染後に山砂が投入されたところ、とみていいのではないか。仮置き場に保管されているフレコンバッグも天空から見える。いわき市川前町では青色、双葉郡の楢葉町などでは黒色。そこに置かれたままだから、劣化も進んでいることだろう

 ふだんは虫の目で暮らしている。が、ときどきはこうやって、グーグルアースで自分の存在している場所を確かめる。アラシのときなどは、なおさら地理的位置を確認するために「鳥」になる。

 おととい(1月18日)、急速に発達した低気圧の影響で、いわきのハマ・マチは暴風雨、ヤマは雪に見舞われた。夏井川流域では県道小野四倉線が「土砂崩れ」のために、いわき市小川町塩田字平石地内から田村郡小野町夏井地内まで42キロ区間が全面通行止めになった(翌19日午後5時には復旧したらしい)。渓谷がすっぽり入る。

 夏井川渓谷で落石や土砂崩れが発生する場所はだいたい決まっている。ロックシェッドがあるあたりだ。崖は垂直に近い。今回もその近辺で小規模な「崩れ」がおきたのではないか――。今朝の福島民報に現場写真が載っていた。コンクリート吹き付けをしたあとにワイヤネットを張ったところといえば、やはりロックシェッドの上流側だ。

 東日本大震災のときも、これまでの暴風雨のときも、そのへんで土砂崩れがおきた。渓谷の住民はどこが崩れそうか、ふだんから観察しているので、そんなに驚かない。今回も脇道を利用して普通に職場へ出かけたことだろう。同じ小川町でも夏井川渓谷の山の陰、双葉郡川内村へと抜ける国道399号は標高が高いこともあって、除雪作業のために通行止めになった。

いわきは広い。しかし、「いちえふ」からは近い。グーグルアースを開くたびに、阿武隈高地の上空で私は「猛禽」になる。

0 件のコメント: