2016年3月29日火曜日

携帯ストラップ更新

 携帯電話のストラップが切れて、結び直して使っていた。それでも二度、三度とゆるんではずれる。新しいストラップに替えた。ピンクの「ちりめんふくろう」になった=写真。
 もう4年前のことだ。富岡町から避難している、当時93歳のおばあさんから手づくりの「ちりめんふくろう」をもらった。1年後には紐が切れて新しいものに替えた。それから3年。片方の目が取れ、紐も切れた。というわけで、たまたま家に残っていた「ちりめんふくろう」をカミサンが出してきた。初代は翼が赤、2代目は青、3代目はピンクだ。

 自分のブログに当たってわかった。おばあさんは原発避難を余儀なくされた。いわきで借り上げ住宅に住み、話し相手もいない日々を送っていた。ところが――。

 シャプラニール=市民による海外協力の会が2011年10月、ラトブに交流スペース「ぶらっと」を開設する。と、娘さんが母親のつくった「ちりめんふくろう」を飾った。欲しい人はどうぞ。飾ると、すぐなくなる。作品がたまると、また「ぶらっと」に飾る。おばあさんは俄然、張り合いが出てきた。富岡町にいたころもストラップをつくってはみんなに配って喜ばれていたという。

「ぶらっと」は、翌年4月にはイトーヨーカドー平店2階に移る。おばあさんはそこで「ちりめんふくろう作り」教室の先生も務めた。「ふくろうは一つひとつ違うの。(ふくろうを)つくっていると肩がこらないの。つくってプレゼントするのが楽しみなの」。おばあさんの話は聞いて愉快だった。

 おばあさん母娘は、やがて「ぶらっと」から足が遠のいた。それでいいと思う。「ぶらっと」を必要としなくなるのが「ぶらっと」の究極の目的だから(「ぶらっと」は3月12日に閉鎖された)。そう考えつつも、おばあさんは97歳、真新しい3代目の「ちりめんふくろう」に触れていると、今も元気に「ちりめんふくろう」をつくっているだろうか、と祈るような気持ちになる。

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