2016年5月2日月曜日

アミガサタケ出現

 ざっと2年半前(2013年師走)。夏井川渓谷にある隠居の庭が全面除染の対象になり、表土が5センチほどはぎとられた。あとに山砂が敷き詰められた。
 以前は、毎年ではないが春にアミガサタケが出現した。梅雨期には決まってマメダンゴ(ツチグリ幼菌)ができた。夏~秋にはホコリタケ。冬にはシロシメジモドキ、立ち木にエノキタケ。いながらにして、隠居の庭から食菌が採れた。

 上記のキノコのほかに、無量庵の庭(地表・樹木)に発生する食菌は、20年余の記録をみると、ヒラタケ、アカモミタケ、オオチャワンタケ、ヒトヨタケ、ハルシメジ、アラゲキクラゲ。アミガサタケに限って言えば、震災翌年の2012年春にも1本出現した。食べたか食べなかったかは記憶が定かではない。
 
 菌糸ごと表土が除去されたあとは、しばらくキノコが発生することもないだろう、とあきらめていたが……。きのう(5月1日)、郡山市立美術館へ行った帰り、三春のハーブガーデンを経由して渓谷の隠居で一服した。
 
 そのあと庭をじっくり見たら、アレッ、あるぞ!――アミガサタケがシダレザクラの樹下に発生しているではないか=写真。菌輪を形成中なのか、点々と4本が頭を出していた。3本を採った。
 
 山砂にも胞子が含まれていたかして(あるいは除去された表土より深く菌糸が残っていたかして)、4年ぶりにアミガサタケが姿を見せた。森の中のキノコはまだ食べる気にはなれない。が、山砂が投入された庭から出たキノコだ、これはもう体が反応した。5年間(庭に限って言えば2年半)で環境が変わってきた。
 
 震災の半年前(2010年秋)、台湾・野柳の海岸(地質公園)でアミガサタケの形状とそっくりのキノコ岩をながめた。唐突ながらそのことも思い出した。

「バター炒めだな」。カミサンにいうと「自分でやってね」。しかたない。ここは湯がいておいて、あとで食べ方を考えよう。量は3本でおよそ20グラムだ。きのうは日曜日で、夜は定番のカツオの刺し身。併せてバター炒めのアミガサタケも、というのはもったいない。それはきょうの夜のつまみにする。

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