2016年7月29日金曜日

ネットの効用

 四倉の知人から電話が入った。「ブログにあった『アレッポのせっけん』がほしい」という。昔書いていた新聞コラムの延長で、「ネットコラム」と称して毎日、ブログを書いている。先日、「アレッポのせっけん」を取り上げた。ブログを読んでもらえるだけでもありがたいのに、その記事が、カミサンが店(米屋)で扱っている品物の売り上げにつながった。初めてのことだ。
 それから何日か後、「アレッポのせっけん」を買いに来た人がいる。やはり、私のブログを読んで、ということだった。さらに数日後、フェイスブックの友達でもある人生の先輩(女性)が店に来て、ついでに「アレッポのせっけん」を買っていった。

 せっけんばかりではなかった。同じころ、内郷の住宅街にある喫茶店「純」のママさんから電話が入った。「記事を読んでコーヒーを飲みに来た若い女性がいる。なにか書いてくれたのかな」。ママさんはネットとは無縁の人間だ。書いたことを告げると、お礼を言われた。

「純」は福島高専がまだ平高専だったころ、平駅(現いわき駅)前の三田小路にあった。そこに、私も含めて同級生が入りびたっていた。先代の三遊亭円楽そっくりだった、今は亡きマスターに仲間がいろいろ世話になった。

 去年(2015年)5月、その仲間が集まって湯本の温泉旅館で懇親会を開いた。翌朝、内郷へ移動して、「純」でモーニングコーヒーを飲んだ=写真。そのときの様子をブログに書いた。それが、若い女性の目に留まり、コーヒーを飲みに来たのだという。どうやら同じ内郷に職場の拠点があるらしい。

 ブログやツイッター、フェイスブックといったインターネットの特性は――とあらためて思うのだが、過去も現在もなく遠いも近いもない、すべての情報が「今、そこにある」ものとして並列化される。

 功罪はあるが、「功」をきのう(7月28日)実感した。コサメビタキらしい鳥のさえずりを聞き、写真に撮った。が、特徴が合致しない。わかったら教えて――そんな問いかけをしたら、夕方、野鳥の会のいわき支部長氏からブログにコメントが入った。電話もかかってきた。フェイスブックには若い知人が野鳥の「さえずり集」をアップしてくれた。

 支部長氏のコメントと「さえずり集」から、あの鳥はコサメビタキではなくオオルリの雌とわかった。その日の夜更け、せがれからも「オオルリの雌では」という電話が入った。
 
 特にさえずりで合点がいった。ネットの情報は玉石混交だが、つながり次第で「専門知」と「ヒント」の恩恵にあずかれる。これこそがネットの効用だろう。

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