2016年7月7日木曜日

「古さびた家」

 たまに小学3年と1年の孫の“学童保育”を引き受ける。そのたびに孫が言う。「汚い家」「こいつ、なにを言うか。古いだけだぞ」。無礼と率直の違いで言えば、無礼な物言いだが、それを孫にぶつけてもしようがない。
 どの部屋も雑然としている。階段も含めて、本と資料だらけだ。特に、茶の間がひどい。昼は仕事場、夜は晩酌の場。座卓の周りに資料が山積みになっている=写真。このごろは座椅子にすわるのに、抜き足差し足になる。でないと、ちょっとさわっただけで資料が崩れ落ちる。「汚い」の半分は「雑然」なのかもしれない。

 おととい(7月5日)、久しぶりに“学童保育”を引き受けた。下の孫は相変わらず「汚い家」を連発する。「カに刺されたい」とも言う。

 エアコンはない。暑い日は戸を開けて、蚊取り線香をたく。上の孫はもっと小さかったころ、カに刺されると赤く腫れあがった。下の子は、そうはならないようだ。で、このごろはわが家に来るたびに「カに刺されたい」を繰り返す。

「『汚い家』なんて言うものじゃない」。説教じみたことを言うと、上の子がつぶやいた。「古さびた家」。「おい、『古さびた』という言葉を知っているのか」。どこかで耳にしていた、あるいはたまたま「古い」「さびている」を思いうかべて「古さびた」になったのか。

「古さびた」を「ガタがきた」に言い換えると、「あるある」になる。テレビがおかしくなった。風呂場の電球が切れた。メガネのブリッジが折れた。これらが、この10日ほどの間に連鎖的におきた。古さびてガタが来ている。

 小学生のころ、どんなことに興味・関心があったのかを、ここでは書けないことも含めて覚えている。自分のそれと照らし合わせながら、こうかああかと想像しながら、孫とつきあう。孫も“大人”への発達過程にある。

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