2017年1月11日水曜日

初めてのキャビア

 正月3日に息子一家と会食したとき、カミサンがキャビア=写真=を出してきた。去年(2016年)夏、同級生とロシアのサハリン(樺太)島、シベリア大陸のウラジオストク・ナホトカを旅した。手のひらにのるくらいの小さなガラス容器に入ったキャビア(本物だと思うのだが)を土産に買ってきた。高かった。それだった。カミサンに渡したあとは忘れていた。
 トリュフ、フォアグラ、キャビア――。世界三大珍味だというので、一度は口にしたいと思っていた。

 マイタケに黒マイタケと白マイタケがあるように、トリュフにも黒トリュフと白トリュフがある。黒はフランス、白はイタリアで好まれるようなことを、前にテレビで知った。

 もうずいぶん前のことだ。いわきキノコ同好会の総会・勉強会・懇親会で冨田武子会長がフランス土産の瓶詰めトリュフを提供した。テレビで知っていたのは「ニンニクや森の匂い」。ところが実食して感じたのは香水のような芳香だ。ヨーロッパの人間と日本人とでは「比喩」の土壌が違っているのか。
 
 キャビアと聞くとつい連想するのが「畑のキャビア」だ。44年前、宮沢賢治の世界(小岩井農場など)に触れたくて、新婚旅行先を盛岡市に選んだ。
 
 披露宴に岩手出身の画家松田松雄が出席した。翌日、訪ねた盛岡の画廊に松田がいた。松田の案内で飲み屋街に繰り出し、フグ刺しをごちそうになった。そのあと、居酒屋「茶の間」に連れていってもらった。「とんぶり」(ホウキグサの実)を食べた。「畑のキャビア」だという。
 
 最近知り合った若い人が年末、弘前へ帰省する途中、盛岡へ立ち寄った。フェイスブックに昼間の飲み屋街の写真をアップした。なかに「茶の間」の看板が映っていた。「畑のキャビア」を思い出した。おととい(1月9日)、わが家へ来たので「茶の間で飲んだのか」と聞くと、「?」だった。たたずまいが気に入って写真を撮っただけだったらしい。
 
「畑のキャビア」はプチッとした食感だけが記憶に残っている。ロシア産のキャビアは? 塩漬けだから多少はしょっぱい。プチプチ感はある。うーん、それだけのような気もする。だから、美味ではなく珍味? フォアグラも食べたことがあるはずだが、味はよく覚えていない。

私には、トリュフよりマメダンゴ(ツチグリ幼菌)、フォアグラより焼き鳥レバー、キャビアより数の子が向いている。

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