2017年3月23日木曜日

「碧峰?玄居士」

「春分の日」余話――。カミサンの実家の墓参りをしたあと、本堂に寄って位牌にも焼香した。一角に故人の回忌を知らせる掲示板がある。十七回忌の欄に義伯父の戒名があった。
短冊状の紙に「碧峰?玄居士」とあって、3番目の文字が「?」になっている=写真。パソコンに入っているデータは正しくても、プリントアウトするときに「?」になってしまったか。それとも、打ち込んだときに「単漢字」で拾えず、「?」のままにしてあったか。

 義伯父は埼玉に住んでいた。墓もそちらにあった。奥さんが亡くなったあと、いわきのわが家の近くに家を建てて移った。晩年は緑内障で失明し、カミサンが食事などの世話をした。

 死後、義伯父の家は一時、知り合いの若い整骨師に貸した。震災後は支援NGOの宿舎になった。今はわが家の客の“ゲストハウス”になっている(わが家の2階は本と資料で物置状態なので布団が敷けない)。

義伯父の家の墓はそのままだった。そちらの墓に遺骨を納めても、お参りに行くのは難しい。子どももいないから、いずれ無縁墓になってしまう。で、ある年、住職と相談し、業者と一緒に埼玉へ出かけ、墓をカミサンの実家の墓地の一角に移転した。

義伯父の戒名は奥さんのそれとつりあうように、いわきの寺の住職が付けた。「碧峰虗玄居士」。「虗」は、簡体字では「虚」。漢和辞典で確かめると、「虚」は「虛」の略字、「虛」は「虗」の略字とあった。

「?」のまま印刷するんじゃなくて、そこだけ空けてあとから筆で書き込めばいいのに――つい“校正したくなる癖”が出る一方で、戒名は略字ではなく本字でつけるのか、と感心した。(「ワード」から「書式なし」のゴシックにしたら、「虗」と「虚」が「?」になった。で、きょうはワードの明朝体のままアップした)

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