2017年3月3日金曜日

狆引き官女

 きょう(3月3日)は桃の節句。カミサンはきのう、同級生2人と昼食会を開いて一日早い「雛(ひな)祭り」を楽しんだ。おとといは、いわきで初めて「つるし雛」の展示会を開いた西日本生まれの女性がご主人とやって来た。カミサンと雛人形の話で盛り上がった。
「狆(ちん)引き官女」という言葉を初めて知った。カミサンが持っていた=写真。高さは約15センチ。狆をひもで引きながら散歩する官女、といった風情だ。犬は安産の守り神。「狆引き官女」は明治時代から昭和初期にかけて作られた近代の雛人形だそうで、西洋風の帽子までかぶっている。

 ネットで検索すると、真っ先に画像が現れる。帽子をかぶった「狆引き官女」はなかった。あとからだれかが加えた可能性はないのだろうか。それをいうと反撃されそうなので黙っているが。

「つるし雛」も、いわきでは最近聞かれるようになった言葉だ。平の商家などでは「つるし飾り」といっていた。10年近く前、カミサンの親戚でもある女性が主宰している「押し絵」サークルの作品展が開かれた。女性の創作の原点という、生家(老舗薬局)の「つるし飾り」も展示された。初めて昔のいわきの「つるし飾り」を見た。そのときの拙ブログの一部。

 ――芽吹いて間もないヤナギの枝に、動物や兵士や、江戸時代の若者や娘や、やっこなどの押し絵がさがっている。平の商家では昔、仕事を終えた夜、人が集まって雛祭りに飾る押し絵を作ったという。

 いわき地方の「つるし飾り」については、(平出身の)山崎祐子さんが編集した『雛の吊るし飾り』(三弥井書店・平成18年刊)が詳しい。山崎さんは、祖母が所有していた「つるし飾り」97点(「お志ゑ雛様 おつるし物」と書かれた箱に入っていた)について、概略を記し、1点1点の目録を作成した――。

「お志ゑ」は「押し絵」の当て字で、つるし飾りを「(お)つるし物」ともいっていたことがわかる。

 桃の節句の次は端午の節句。孫が嫌がるフランス人形たちが床の間から消える日も近い。

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