2017年5月11日木曜日

草野美術ホールの盟友

 いわきの現代美術の原点といってもいいのが、昭和40年代半ばから10年ほど開廊していた草野美術ホールだ。
 そこに出入りしていた人間とは、40年以上たった今もつきあっている。その一人、スペイン在住の画家阿部幸洋がこの土曜日、5月13日から22日まで、平のギャラリー界隈で新作絵画展を開く。

 別の一人、M子がきのう(5月10日)、お茶を飲みに来た。カミサンとは幼なじみだ。娘さんが始めた花屋の手伝いをしているうちに経営者になった。若いときは墨画を描いた。今はドライフラワーのリースなどをつくっている。何回か作品展も開いた。

 ドライフラワーの話から、ツタンカーメンとヤグルマギクの話になった。ヤグルマギク? カミサンが直売所から買ってきて、床の間に飾ったのが数日前=写真。真偽はよくわからないが、ツタンカーメンの棺にこの花が供えられていたそうだ。

 陶芸家の故緑川宏樹の話も出た。M子が当時やっていたスナックを会場にして、作品を売る手助けをした。

 草野美術ホールは一種の梁山泊だった。作者に出会い、美術を好む人間に出会って、語り合ったり飲んだりしているうちに、次の仕事の協力をしたり、販売の便宜を図ったりする。私生活も含めて、いつのまにか互助のネットワークができていた。
 
 山野辺日出男(画家)が、松田松雄(画家)が亡くなり、緑川卓樹・宏樹兄弟(陶芸家)が亡くなった。M子の友達でもある、私と同年齢のY子さんも亡くなった。きのう、M子から聞いた。孤独死だった。草野美術ホールに出入りしていた若いころ、交通事故に遭い、長い間、死の淵にあった。奇跡の生還を果たし、タウン誌「ぺぇべぇ」や総合雑誌「うえいぶ」にユニークなイラストを描いた。

 緑川宏樹について調べている若者がいる。今度来たら、M子を取材するように勧めよう。

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