2017年6月3日土曜日

もう一つの口コミ

 ツイッターもフェイスブックもSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)、つまりは「もう一つの口コミ」だろう。現実の生活圏をはるかに越えて、さまざまな場所から人間や自然に関する情報が届く。新聞やテレビといったオールドメディアでは太刀打ちできないきめ細やかさと広がりを持つ。 
 特に、冬。目的地の天気が気になる。と、「けさ起きたら雪だった」といったコメントと雪の写真がアップされている。山の向こうの「友達」の情報でルートを変更したこともある。
 
 今週(5月28日~6月3日)は、フェイスブックで「ホホー」が三つあった。
 
 5月30日夜、若い仲間が今年初めて、ホタルの光跡をアップした。もうそんな季節になったか。
 
 翌31日の朝、「かもめの視線」の空撮家酒井英治さんが平市街の上空をモーターパラグライダーで飛んでいるのを、たまたま市役所本庁舎の玄関前から見た=写真。その日の午後、パソコンを開けると、フェイスブックのメッセージ欄に、わが家とわが地区の写真が届いていた。ありがたいことに、「近くを飛んだので、チョット空撮しておきました」とあった。
 
 きのう(6月2日)は、元職場仲間(今は通信社の記者)がイノシシの写真をアップした。
 
 3年前、東洋大学生が被災地の現地学習にやって来た。彼と一緒に夜の飲み会に加わったとき、引率の先生の一人、カナダ人の准教授とイノシシ狩りの話になった。後輩は真顔で「イノシシ狩りをしたい」と応じた。
 
 そのときのブログの一部――。後輩はサーフィンをやり、水中に潜って写真を撮る。自然のなかに生身の自分を置くことで生きる実感をつかむタイプだ。イノシシを狩るには、まず講習を受けて狩猟免許を取る必要がある。
 
 そのあと、ほんとうに「わな猟」の免許を取ったのだ。コメントを入れると、「アクアマリンの測定で20ベクレルもなかったです」「もし希望でしたらお持ちします」。今回は遠慮する。が、ある公民館での測定でも問題のない個体があったというから、汚染度の低いイノシシも生まれつつあるのだろう。
 
 それぞれの“現場”から届く当事者情報――これこそが「もう一つの口コミ」の魅力、といえるのかもしれない。

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