2017年8月21日月曜日

伝承郷のキノコたち

 きのう(8月20日)の夜は、平で夏井川流灯花火大会が開かれた。日曜日なので、カツオの刺し身をつつきながら「遠花火」で一杯――をもくろんだが、なぜか花火の音が聞こえなかった。耳が遠くなったらしい。代わりに晩酌のあと、フェイスブック友の動画と写真で現場の雰囲気を味わった。
 このごろ、日曜日が忙しい。午前中は私、午後はカミサンに合わせて動くことが増えた。

 きのうは、朝、夏井川渓谷の隠居へ行って土いじりをした。2時間もすると、カミサンが「さあ行こう」という。前夜、いわき市暮らしの伝承郷へ行くか、隠居へ行くかで意見が分かれた。「伝承郷にはタマゴタケが出るよ」。朝、隠居で土いじりをしたらすぐ伝承郷へ行くことで話がついた。

 伝承郷へは午前11時半ごろ着いた。「いわきキッズミュージアム」というイベントが開催中で、無料のカレーライス、かき氷のテントには長い列ができていた。カミサンは伝承郷の事業懇談会委員をしている。なにか手伝うことがあればと、エプロンを持参したようだった。

 私は、イベントのことはすっかり忘れていた。前夜、晩酌のときにいわれたらしいが、民家ゾーンにある“里山”(雑木林)のキノコのことしか頭に残っていなかった。
 
 カレーライスを食べたあと、カメラを持って林の中に足を踏み入れた。日照不足・低温・雨のために、夏キノコがあちこちに顔を出していた。すでにとろけて黒くなったものがいっぱいある。
 
 チチタケ(食菌)が迎えてくれた。木の切り株からはナラタケモドキ(食菌)が生えていた=写真。テングタケ幼菌、ドクベニタケ、イグチ系の幼菌、ノウタケ幼菌、民家の山岸にはカワリハツ。100メートルちょっとの、ゆるやかな尾根道をひと巡りしたあとに、黒くバくされていたキノコを想像する。ナラタケモドキではなかったろうか。
 
 伝承郷の里山には、秋は入ったことがない。夏だけの印象でいうと、「タマゴタケが出る山」だ。タマゴタケはなかったが、毒々しい血の色をしたチシオハツがあった。
 
 振り返れば、流灯花火大会で人間の夏が終わり、ナラタケモドキがとろけてキノコの秋が始まった、というところか。そしてきょう、8月21日は「福島県民の日」。けさの新聞が星空の写真でラッピングされていたのでわかった。

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