2017年10月10日火曜日

小名浜・リスポへ

 体育の日のきのう(10月9日)は、カンヅメになってキーボードをたたき続けた。午後3時前、文章があらかた仕上がったので、気分転換を兼ねて出かけることにした。
 四倉の道の駅? いや、若い人たちが主催している小名浜本町通り芸術祭をのぞこう。といっても、行ったら終わっていた、では話にならない。ネットで確かめると、午後5時までやっている。さあ行くぞ――カミサンに声をかけて出かけた。
 
 来年(2018年)1月15日に閉館するタウンモールリスポ(旧小名浜名店街)を会場に、いろいろやっているらしい。中に入ると、たまたま主催者の一人がいた。つかまえて話を聴く。小名浜の巡検結果をジオラマ化した「学歩(まなぼ)」特別編が展示されていた=写真。リスポスケッチ展、シオカゼマルシェ、フクシノワ活動展も行われていた。
 
 近くの小名浜・本町通りでも、空き店舗のシャッターを利用した小名浜昔写真展などが開かれていた。
 
 通りが人と車でにぎわっていたころの、半世紀以上も前の小名浜の記憶――。叔父が日本水素(現日本化成)に勤めていた。市街地の西郊、藤原川に近い弁別に社宅があった。小学校入学前から低学年生のころまで、阿武隈の山里から祖母に連れられてよく泊まりに行った。今なお脳裏に鮮明なものが三つある。
 
 本町通りに面した「国華堂」という店で、生まれて初めてソフトクリームを食べた。やわらかくて甘かった。
 
 平からトレーラーバスに乗り、水素前で降りて、弁別方面行きのバスを待っていたときだったか。昼間から酔っ払ったおっさんがフラフラ歩いているうちに、ヘドロのたまった側溝に頭から突っ込んだ。バタバタもがく姿が今も鮮やかだ。おっさんは周りの人に引っぱり出されたはずだ。
 
 もうひとつ。従妹に連れられて社宅の前の海で、生まれて初めて海水浴をした。寄せては返す波にめまいを感じて砂浜にしゃがみこんだ。臨海工場群が林立する前、昭和20年代後半の記憶。松林が伸び、砂浜が東へと湾曲して広がっていた。
 
 若い人たちがいろいろ仕掛けて、街に人を、活気を呼び込もうとしている。少なくともリスポはその仕掛けが効いて「名残のにぎわい」があった。
 
 そうだ、もうひとつ思い出したことがある。上の子が生まれて7カ月のころ、小名浜名店街か、隣接してあった小名浜ショッピングセンター(現駐車場)のどっちかで、ときどき飲みに押しかけた友人の若い叔父さん夫婦とばったり会った。「星の王子様だね」。奥方のサチコさんにいわれた。「星の王子様」は、今は2人の男の子の父親だ。これも忘れがたい小名浜体験。

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