2017年11月6日月曜日

ごみを拾いながら河川敷を歩く

 週末イベントが続く。気になるのは天気。土曜日(11月4日)は夕方、雨になった。曇っても雨は降らない、日曜日は晴れる――と思っていたのに、シトシト雨だ。
 予報の網の目は粗い。「二度あることは三度ある」で、3週連続雨の日曜日になったら目も当てられない。「秋のいわきのまちをきれいにする市民総ぐるみ運動」に続いて、「神谷市民歩こう会」が中止になってしまう。

 日曜日は朝4時過ぎに起きた。雨はやんでいる。予定通り歩こう会を実施できる。ほっとする。

 コースは神谷公民館から夏井川河口までの往復9.5キロだ。河川敷と堤防を、ごみを拾いながら歩き、河口の沢帯(ざわみき)公園で昼食・自由時間のあと、公民館へ戻って景品が当たる抽選会を開いて解散となる。いわき市青少年育成市民会議神谷支部の地域部会が主催する。

 この何年か、歩こう会と吉野せい賞表彰式がダブっていて、朝、歩こう会であいさつをすると、草野心平記念文学館へ車を走らせる、ということを繰り返してきた。せいの命日は11月4日。その直近の11月の日曜日に表彰式が行われる。ところが、今年(2017年)はどういうわけか、表彰式が11月11日、しかも土曜日にずれ込んだ。

 久しぶりに歩こう会の全行程に参加した。といっても歩いて、ではない。車でコースを巡りながら、写真を撮る。歩こう会の一行=写真=だけではなく、野鳥を、川を。ふるさとの大滝根山から発する夏井川とも久しぶりに“対話”した。

 国道6号バイパスの夏井川橋あたりが、旧神谷村・草野村の境になっている。朝9時すぎに出発し、車で先回りすると、偶然、旧神谷村側でコハクチョウが6羽、夏井川の上空を旋回していた。着水態勢だった。

 夏井川橋よりひとつ海側にある六十枚橋の先では、旧草野村の住民が出て堤防の草刈りをしていた。環境保全という点では同じ目的の行事だ。歩こう会の何人かは草刈り組から飲み物をもらったそうだ。結果的に河川愛護のコラボレーションができた。
 
 わが生活圏だけでも、夏井川はいろんな役目を引き受けている。ハクチョウ・カモの越冬地、サケのヤナ場、ミサゴやウの狩り場。川砂供給地。なによりかにより、水道水は夏井川~小川江筋から引いて浄水したものだ。
 
 一番の課題は、河口が砂ですぐ閉塞することだろう。先日の台風21号では大水が砂を流して太平洋と直結した。バックホーを使って、二つ目の河口もつくられた。それが今はふさがり、太平洋と直結していた河口も、薄い膜のような水が流れているだけ。
 
 大正11(1922)年に刊行された『石城郡誌』に、夏井川河口の様子が記されている。「時に奇と称すべきは旱天(かんてん)の水害なり(略)、川水漸(ようや)く涸(か)れ其(そ)の勢ひ海沙(かいさ)を排寡(はいか)する能(あた)はず。河口塞(ふさ)がつて通せず」。100年前も住民は河口閉塞問題に悩んでいた。
 
 身近な夏井川のちょっと厄介な個性だが、それも含めて歩こう会参加者が少しでも川を意識するようになればいい――そんなことを感じさせるイベントだった。

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