2017年12月11日月曜日

いわき公園のカモたち

 いわきニュータウン内に福島県立いわき公園がある。小丘の谷に池が細長く伸び、それを巡る遊歩道と起伏に富んだ丘からの遊歩道が連結している。県内では最大級の規模の“里山公園”だ。池を「神下(かのり)堤」という。
 きのう(12月10日)、カミサンが公園内のいわき市暮らしの伝承郷の会議に出席するというので、車で送り届けた。家に戻って2時間後に迎えに行くのもめんどうだ。そのまま公園の駐車場へ移動し、神下堤でカモたちを観察することにした。ほんとうは、カモではなく漂鳥のルリビタキに会いかったのだが。

 8年前、同じようにカミサンを伝承郷へ送り届けたあと、初めて公園内を一周した。すり鉢の底のような神下堤にはカモたち、丘の上の林縁にはルリビタキ=写真・上=や冬鳥のジョウビタキがいた。ルリビタキに会った場所は駐車場からかなり離れている。そこまで「幸せの青い鳥」を探しに行く体力はない。上下二つに分かれている神下堤の上の池だけを巡った。
 
 快晴、無風。なのに、堤の水面がゆらいでいる。留鳥のカルガモが岸辺から中央へと移動していた。その波紋が広がっていたのだ。立ち止まって池を見ている人間(私)が現れた。時折、猟銃のように首から提げた望遠レンズの付いたカメラをかまえる。危険を察知して安全な距離を保とうとしたのだろう。
 
遊歩道を歩いているのはすべてウオーキングを楽しむ人で、バードウオッチングをしているのは私だけ。ウオーカーは池のカモには見向きもしない。ただひたすら前へ前へと歩いていく。
 
 池の幅が狭いので肉眼でも種類がわかった。留鳥のカルガモ、漂鳥のオオバン。ほかに、冬鳥のキンクロハジロ、ハシビロガモのカップル=写真・下=など。岸辺の枯れ木にヒラタケが生えていた。採りごろだったが、柵を越える“勇気”はない。こちらもウオッチングするだけにした。
 はるか頭上には「森のわくわく橋」が架かる。橋の長さ約166メートル。世界で初めて採用された「外ケーブル併用吊り床橋」だそうだ。歩行者専用橋で、公園を取り巻くニュータウンの住人の生活橋にもなっている。
 
 夏井川のハクチョウ飛来地には、カモたちもやって来る。「寄らば大樹(ハクチョウ)の陰」だ。カルガモのほかに、オナガガモ、マガモ、コガモが集まる。キンクハジロやハシビロガモが混じっていたかもしれないが、今まで気づいたことはない。その意味では、神下堤はカモ類ウオッチングの穴場だ。

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