2017年12月19日火曜日

原子力防災実動訓練の成果

 11月中旬、いわき市平の草野・神谷(かべや)・夏井3地区23行政区を対象に、原子力防災実動訓練が行われた。情報伝達、屋内退避、一時集合場所開設・運営訓練のあと、仮想避難所(いわき市内の南部アリーナ)へバスで移動した。
 平地区の避難先は、南は茨城県石岡・牛久・かすみがうら・つくば・つくばみらい・土浦・取手・守谷各市と阿見町、西は新潟県長岡・柏崎・見附・小千谷・十日町・魚沼・南魚沼各市と出雲崎・湯沢・津南各町。神谷地区8行政区のうち4行政区は牛久市と南魚沼市だ。

 訓練参加者アンケートと訓練評価員による評価がまとまった=写真=ので、神谷地区の区長協議会の席上、市から報告があった。

 アンケート結果から二つほど。「どんな方法で市からの指示を入手したか」には、防災メール39%、広報車28%、ラジオ18%などだった。メール受信機器はほぼケータイ(スマホ)だろう。私は市から貸与されている防災ラジオ(自動的にオンになる)で知り、パソコンを開いてメールで確かめた。固定機器で情報を得るのは少数派か。

「訓練を経て実際の原子力災害時に迅速に避難できると思うか」は、十分にできると思う・できると思う計52%、あまりできると思わない・できると思わない計48%。評価がほぼ半々に分かれた。

 私のなかでも半々だ。避難できる人はすでにマイカーで避難している。どちらかといえば、“取り残された人々”に声をかけてバスで避難する、という訓練だった。プライバシー問題からどこに助けを必要とする人がいるか把握しきれていない。葛藤を抱きながらも経験を蓄積するしかない、といったところか。
 
 訓練評価員は、市から委託されて各訓練場所に配置された防災コンサルタント会社のスタッフが務めた。
 
 専門家が見た「よかった点」は、①区長からの連絡時、帽子・手袋の着用を指示するなど具体的な対応を検討した区があった②一次集合場所では区長らが中心となり、積極的に住民に声かけをしていた――など。改善点は①防災メールが一部で受信できなかった②広報車の音声が聞き取りづらかった――などだ。
 
 訓練結果報告会から1週間後、福島県作成の防災ガイドブック「そなえるふくしまノート」が隣組を通じて全戸に配布された。自然災害や火災のほかに原子力災害についても対応策を紹介している。
 
 車のガソリンが半分になったら満タンにする。原発震災後、身についた習慣だ。が、「のどもと過ぎれば」的なものも多くなっていないか。再会を心から喜び、ハグしあったあのころを、ときどき思い出すことが必要かもしれない。

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