2018年2月17日土曜日

飛ぶハクチョウ

 いわきサンシャインマラソンの朝。首都圏から走りに来た客人をいわき駅前へ送ったあと、夏井川の堤防を帰ってきた。新川が合流する地点にハクチョウがいる。この時間、よそへ行ったり、よそから来たりして、あわただしい。少し下流で、海の方からやって来るハクチョウに遭遇した=写真。
 それから2日後の、知人の旅立ちだった。きのう(2月16日)のいわき民報に死亡広告が載った。「○×ちゃんだ!」。カミサンが驚きの声を上げる。カレーで知られる店のオーナーだった。享年73。

 私ら家族が別の地区に住んでいたときの話――。結婚して子どもができたあと、家が近所で、子どもの幼稚園が一緒だったので知り合った。私が朝、それぞれ2人の子どもを車に乗せて幼稚園へ送り届ける。帰りはオーナーの奥さんが4人を乗せて戻る。それから40年近くたって、子どもたちが親を看取る年になった。
 
 今の家へ引っ越したあと、家族で遊びに行ったことがある。まだレコード全盛の時代、CDを見せてかけてくれた。レコードとの音質の違いがどうの、というようなことをいっていたのを覚えている。CDが発売されたのは1982年。発売と同時に装置を買い込んだのではなかったか。

 平・白銀町で大きな店を切り盛りしていたころ、家族でよくカレーを食べに行った。そのとき、オーナーにキャベツの千切りの極意を教わった。「芯に対して直角に」。しばらく包丁を握ってキャベツと向き合ったものだ。
 
 店が平・レンガ通りに移ってからは、街で会えばあいさつする程度になった。店にも、もう10年以上行っていない。店の前を通るたびに「いるかな」と見やっていたが、突然の訃報だ。驚いた。
 
 ハクチョウは間もなく北へ帰る。オーナーの魂もふるさとの茨城へ帰るのか。

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