2018年5月26日土曜日

わが家の小さな訪問者

 5月も残すところあとわずか。この時期になると、決まって草野心平の「五月」という短詩を思い出す。
「すこし落着いてくれよ五月。/ぼうっと人がたたずむように少し休んでくれよ五月。/(略)五月は樹木や花たちの溢れるとき。/小鳥たちの恋愛のとき。/雨とうっそうの夏になるまえのひととき五月よ。/落着き休み。/まんべんなく黒子(ほくろ)も足裏も見せてくれよ五月。」
 
 今年(2018年)の5月は、「雨とうっそうの夏」の前なのに、暑い夏になったり寒い春になったりと、気温の変動が大きい。そのためか、「5月20日」には蚊のチクリを注意していたが、姿を見せただけで終わった。おととい(5月24日)午前、暑いので茶の間のガラス戸を開け放して座業をしていると、手や額にかゆみを覚えた。今年初めて蚊に刺されたことを知る。

 わが家で蚊に刺された最初の日と最後の日を記録している。最初の日は5月20日前後。最後の日は、そういえばあの日が最後だった――程度だが、10月20日前後だ。2年前、これが1週間伸びて10月27日になった。今年の“初刺され”は、“定点観測”からいうと4日も遅い。夕方、蚊取り線香をたいた。これも、今年初めてだ。
 
 心平の詩、蚊の出現、だけではない。5月になって庭のイボタノキ(と思われる)の花が咲くと、アオスジアゲハが現れる=写真(9年前のきょう、2009年5月26日撮影)。それもまた気になる5月のいきものだ。
 
 今年は5月11日に現れた。イボタノキの花はまだで、庭のへりに咲き乱れているマーガレット(と思っていたが、フランスギク?)の花から吸蜜していた。南方起源の蝶だ、昔は東北南部が北限らしかったが、地球温暖化が進んで北上しているという。

 この時期はまた、朝、歯を磨きながら地面から生え出たヤブガラシの芽を摘む。根茎で増えるから“対症療法”でしかないが、小さなわが家の庭にはなくていい植物だ。ほんとうは外科手術(根こそぎ除去)が必要なのだろう。主に隣地との境に芽を出す。もう半月以上“芽むしり”をしているが、いっこうに収まらない。

0 件のコメント: