2018年8月28日火曜日

2年間の「会計」体験

 これはわが生活圏の例だが――。学区と一致する行政区の連合体(地区区長協議会)がある。同じ流域に属する行政区の組織(夏井川水系河川改良促進期成同盟会)がある。隣接する3行政区連合体が一緒になって道路の整備を求める組織(平窪・草野間連絡道路整備促進期成同盟会)もある。
 区長が分担して地区体育協会や青少年育成市民会議、防犯協会などの責任者になる。いわゆる充て職だ。それだけではない。各期成同盟会などにも自動的に属し、場合によっては役員の仕事が回ってくる。

おそらくは「負担は平等に」という話し合いの結果、合意が図られたのだろう。道路整備の期成同盟会は、会長・副会長・会計・監事が自動的に決まる。任期は2年。巡り合わせで2年前に会計をおおせつかった。「数字をいじるのは苦手で」などと四の五の言っているひまはない。

前任者から説明を受け、実際にやってみたら、実質的な仕事は総会前後に出納帳に記入したり、JAバンクに負担金(各区3000円)を積んだり、事務費やお茶代などを引き出したりするだけだった。足し算・引き算さえ間違わなければ、監事もすんなりハンコを押す。JAバンクというところが、地域の特色(もともとは農村地帯)をあらわしている。

総会では、事業経過・収支決算と事業計画・予算の承認がある。この予算・決算案をつくるのも会計の仕事だが、ひとつだけ誰にも聞かずにできたことがある。予算を「きれいな数字」にする――。いわき地域学會の総会資料をつくっていて、会計にも美意識があることを知り、それを応用した。ただ、前任者にも会計の美意識があった(数字からそれがわかった)ので、結果的には手法を引き継いだだけだが。

収入の科目は、負担金・繰越金・雑収入の三つしかない。負担金は決まっている。繰越金も決算から数字が出る。両者の合計が59万2154円だとしたら、全体の予算額を、わかりやすくきれいな数字、たとえば59万3000円にする。雑収入は逆算して846円。雑収入自体、不確定要素のかたまりだ。結果的には貯金利子4円程度で終わるとしても、846円を計上することは会計の裁量の範囲内だ。

ただ、出納帳の記入にはてこずった。収入の欄に支出の数字を書き込んだり、その逆をやったり……。こちらは、去年も今年も訂正印を押して、「汚れた数字」になった。

ところで、この連絡道路は、主に夏井川渓谷の隠居へ行くときに利用する。以前、車1台の通行がやっとという未整備のところがあった。だいぶ前に拡幅されたが、これも期成同盟会の要望活動の結果だったことを、会の一員になって知った。

懸案は幕ノ内地内の1カ所だけ=写真=だが、進展しない理由ははっきりしている。組織を存続し、負担金を払い続ける意味があるのか、という声も根強い。新執行部で議論したらいいでしょうと、新しい会計さんに書類を引き継ぎ、エールを送った。

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