2018年8月8日水曜日

二日続きのカツ刺し

日曜日に続いて月曜日も魚屋さんへ行ったら――。店主の目がテンになった。「東京から客人が来たものだから」。それで、ギモンが解けたらしい。
日曜日の夜はカツオの刺し身と決めている。客人夫妻が到着したのはその日の深夜11時。ゲストハウス(義伯父の家)に泊まった翌朝、わが家へ顔を出した。カツオの刺し身の話になった。では、と、夜はカツ刺しで歓待することにした。

客人は国際協力NGOに所属している。同NGOは東日本大震災後、初めて国内支援に入り、いわきで5年間、交流スペースを開設・運営した。客人は1年間、義伯父の家を宿舎に、いわき駐在員として活動した。

客人が駐在員時代に置いて行ったガラスの小瓶を、カミサンがテーブルに飾った。海の砂と貝殻が入っている=写真。奥さんの話では、ときどきそういうことをするらしい。本人の記憶はあいまいだが、薄磯の砂と貝殻かも、という。大学は水産学部を出た。客人の頭の中では今も潮騒が鳴り響いているのだろう。

いわき二日目、夫妻は薄磯海水浴場で泳ぎ、平七夕まつりを見た。夜はカツ刺しをつつき、おもたせの田苑ゴールドを流し込んだ。

魚屋の店主が、二日続けてカツ刺しを買いに来たものだから、びっくりして3秒ほどかたまっていた、という話を紹介する。「店主はおそらく、こう思ったはず。きのう、カツ刺しを買いに来たのを忘れて、また買いに来たのでは? とうとうヨシダさんも症状があらわれたか……」。オクサンも、棒のように突っ立つ店主を想像して笑った。

日曜日のカツ刺しは、もう何十年も続く習慣だ。それが定番だから、二日続けて買いに来るなど、店主には想像もつかない。しかし、いわきの夏のもてなしは、カツ刺し以外考えられない。日替わりで客人が来れば、その日の数だけカツ刺しが続く。ま、三日連続はまだないが。

心配なのは、今度の日曜日だ。間もなく月遅れ盆になる。台風も東北地方をうかがっている。すでに今朝は風が吹き荒れている。まさか12日は「船が出なかったので、カツオはありません」なんてことにならないだろうな。

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