2018年9月26日水曜日

「ポポー」と「ゴボウ」

きのう(9月25日)の福島民報1面コラム「あぶくま抄」は、北米原産の果樹「ポポー」の話だった=写真下。ポポーってなに? 先日、首をひねったばかりなので興味深く読んだ。
コラムは、詩人谷川俊太郎の随筆集『ひとり暮らし』(新潮文庫)をまくらに、ポポーの実の香りと食べ方を記し、しかし詩人が取り上げているわりにはどれだけの人がポポーを知っているのだろうかと問いかける。

コラムの筆者自身、見たことはないらしい。話には聞くのだが、「果実が傷みやすく流通が難しいことから、幻のフルーツと呼ばれて」いる。その「ポポーもちょうど旬を迎えたという。どこかで出合えないものか。せめて一口でも味わえれば『果物王国』への思いも一層増すのだが」と締めくくる。

 私も、友人の女性がわが家に来て、カミサンとポポーの話をするまで知らなかった。話を聞いていてもピンとこなかった。ポポーは「ポポ」、あるいは「ポーポー」ともいう。友人は「ポポ」派だ。

――地元では知られた種屋へ庭に植えてある「ポポ」の肥料を買いに行った。ところが、種屋のおやじさんは「ポポ」を「ゴボウ」と聞き間違えた。「作付けして何年?」「(作付け? 植えて)15年かな」「(ゴボウ根の)長さは?」「(樹高)2メートルぐらい」。“問診”すればするほど話がかみ合わなくなる。店の若い人がネットで調べて、やっと「ポポ」のことだとわかった。種屋のおやじさんも「ポポ」には思いが至らなかったのだろう。

 ネットの情報によれば、ポポーは春に腐肉臭のする紫色の花をつけ、秋に黄緑色の薄い外果皮をもつ果実をつける。完熟すると木から自然に落ちる。それから数日後、香りが強くなったときが食べごろ、果肉はとても甘いそうだ。外観がアケビに、種が柿に似るため「アケビガキ」とも呼ばれる。
 そういえば、先日、口を開けたばかりのムラサキアケビが届いた=写真上。ポポーも今が旬だという。コラムの筆者同様、ポポーの名前を知ったからにはぜひ一度口にしたいものだが、こればかりはだれかの思いやりを待つしかない。

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