2018年12月23日日曜日

冬至の日の出・日の入り

きのう(12月22日)は冬至だった。朝4時に起きて庭に出ると、東の空に雲が広がっている。前日の「晴れのち時々曇り」の予報が、夜半には「曇りのち一時雨」に変わっていた。半日早く雲のかたまりがあらわれた。いわき市平市街まで車をとばし、子鍬倉神社境内にある八坂神社で「冬至のご来光」をと考えていたが、あきらめた。
いわき観光まちづくりビューローが主催した「冬至のご来光といわきの代表的な聖地を専門家と巡るバスツアー」も、最初の訪問地、小名浜鹿島神社でのご来光体験はならなかった。

冬至前夜、「いわき聖地観光レイライン講演会」が市生涯学習プラザで開かれた。まず、いわき地域学會の夏井芳徳副代表幹事が「閼伽井岳薬師と龍燈伝説」と題して話した。

そのあと、聖地研究家の内田一成さんが3年にわたるいわきでの調査結果をまとめたパンフレット=写真・上=を基に、「『いわきに秘められた聖地とは。』~レイラインハンティングでその謎に迫る」と題して、いわきのレイライン(光の道)について解説・紹介した。

 おととし(2016年)2月にも、観光まちづくりビューロー主催で、内田さんによるいわきの「聖地観光」の可能性調査報告会が開かれている。
 
 そのとき、レイライン調査の基本は、建物とその方位=夏至や冬至、春分・秋分といった節目の日の太陽との関係性を見ること、ということを学んだ。最新の地質学データやGPS(全地球測位システム)を駆使し、聖地の構造を科学的に分析する。みょうちきりんな「パワースポット」話と違って、合理的に聖地性の理由を説明できる。

 3年間に及ぶ調査で、たとえば金刀比羅神社(常磐)は夏至に真正面から朝日が昇り、冬至に真後ろに夕日が沈む=写真・中の左側=ことが確認された。閼伽井岳の常福寺(平)にある薬師堂は真東を向いており、春分・秋分の日にはまっすぐ伸びた参道の先から朝日が昇る。
 専称寺(平)も本堂・参道は夏至の日の出と正対している。すると、本堂の裏山に冬至の夕日が沈むはずだ。ネットの「日の出・日の入りマップ」で同寺と日の入り方向を線で結び、その延長線上に夏井川左岸堤防(中神谷側)があることを確認して、午後3時すぎ、夕日を見に出かけた。

日中は、雲が切れて日が差すこともあった。が、北側の半分は青空なのに、同寺上空は雲がかかっていた。小一時間もたつと、同寺の南、10時方向の尾根の上に太陽が顔を出した=写真・下。左上空から高度を下げながら右側に移動していることがわかる。晴れていれば、4時すぎには専称寺裏山の鞍部に近づくことが推測されたが、雲の切れ目がない、きのうはそれであきらめた。
「沈む」よりは「斜めに横切る」といった方が近い。「日の出・日の入りマップ」で専称寺の日没ラインを追うと、夕日が沈むのは湯ノ岳の南、高倉山付近だった。講演会でも、内郷山神社跡から冬至の夕日が高倉山に沈むのが見られることが紹介された。

さて、冬至の日が沈むと、東の空にはまん丸の月が現れた。満月に照らされながらバスで街へ飲みに出かけた。いわき駅前大通りのイルミネーションが消える夜11時前には、若い仲間とともに奥さんの運転する車で帰宅した。冬至と満月と、昼も夜も天を仰ぎ見る一日になった。

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