2020年1月4日土曜日

地図は「読む」もの

 地図に詳しい若い仲間がいる。先日、いわき地域学會の市民講座で講師を務めた(2019年12月24日付拙ブログ参照)。話を聴いて以来、ネットで地図記号を調べ、ウェブ版地理院地図で台風被害に遭った夏井川流域の地理的特徴を復習したり、わが家の標高(4.8メートル)を確かめたりしている。
 地図はこれまで「眺める」だけだった。山登りをするわけでも、知らない土地をドライブするわけでもない。せいぜいA地点とB地点の間の距離を測り、東西南北の位置を確かめる――そんな程度だった。

 ところが、地図は「読む」ものでもあった。夏井川渓谷まで含んだわが生活圏を例に、地理院地図を動かしていると、いろんな情報が拾える。今まで情報の取り方を知らなかった、といってもいい。

等高線が狭まっているところは崖や急な沢、というのは、現場を見知っていることもあって容易にわかる。しかし、同じ数字でも「・6」とか、「・」が三角形や四角形の中にあって、それに数字が付いたものとかがある。その意味を知ると、無知で鈍感だった心が少し揺らぐようになった。

「・6」は「写真測量による標高点、海抜6メートル」という意味になるようだ。夏井川の河口右岸、いわき市平下大越字北萱野地内の夏井川サイクリング公園と農地・宅地を分ける堤防にこの数字が付されている=写真上1。これが「・6.2」と小数点1ケタまで表記されると、「現地測量による標高点、海抜6.2メートル」という意味に変わる。

「・」が三角形の中にあれば三角測量の基準点(三角点)、四角形のなかにあれば水準測量の基準点(水準点)を意味する。付随する数字は、これまた海抜を表す。

 夏井川の堤防を行き来していることを、拙ブログでたびたび書いている。堤防の高さは両岸一緒、上流に行くほど堤防は高くなると思っていたが、そうでもないことがわかった。河口から六十枚橋近くまでさかのぼった左岸、同市平下神谷字仲代地内では、堤防は「・5」と、河口部より1メートル低い。東北地方太平洋沖地震による堤防の損壊・津波遡上を受けて河口部でかさ上げ・補強工事が行われた結果、そうなったか。
 きのう(1月3日)、押入から写真の入った小箱が出てきた。なかに夏井川渓谷の水準点の写真があった=写真上2。裏には、2003年3月撮影の書き込み。場所は籠場の滝の上流、夏井川と並走する県道小野四倉線沿いで、杉の木が植わっていた。
 県が杉林を買い取ったかして、行楽客のために駐車スペースをつくったのが2007年。かごマット(蛇かご)で基礎を固め、アスファルト舗装をして供用を開始するとすぐ、台風による大水で損壊した。その後、かごマットを何段にも増強し、実質3カ月で復旧した。それから12年、今度は下流側の先端部が台風19号の大水でやられた=写真上3。水が暴れるところは決まっているらしい。

 水準点はその上流部にある。地理院地図では四角形に囲まれた「・」のそばに170.3とある。標高170.3メートルの谷底だが、籠場の滝からすると、一段高くなっている。埋め込まれた水準点の石などは無事だったろうか。

以上はほんの一例。いろんな要素を加味して地図を読めば味わいも深まるだろうが、まだそこまではいかない。地図に書き込まれた記号から現実の風景を想像するだけで精いっぱいだ。

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