2020年7月4日土曜日

カラスには負けられない

 カラスにつつかれてごみネットが破けた=写真。何年か前、新しいネットにした。おととし(2018年)夏には、ナイフで1.5メートルほど切り裂かれたように破けたが、応急的にたこ糸でつくろった。今回は、それとは別のところだ。ここまでやられたら新品を買うしかない。
 家庭から排出されるごみには人間の意識が反映される。少しでもマナー違反があると、カラスは目ざとくそこを突く。コミュニティ=ゴミュニティには、ごみと人間のほかにカラスが加わる。カラスとの知恵比べに負けるわけにはいかない。カラス研究の最新成果を絶えず得るように心がけている。2年前の拙ブログから――。
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カラス研究の第一人者、杉田昭栄・宇都宮大学名誉教授が『カラス学のすすめ』(緑書房)という本を出した。

「今でもカラスは黄色が嫌いだと思っている方もいるようですが、(略)カラスに嫌な色はありません。あくまでも紫外線遮断効果がないと効果はないことを、この場でお伝えしておきます」

生ごみのカラス対策として有効と聞いてからは、わが区内のごみ集積所ではあらかた黄色いごみネットに代わった。しかし、黄色いごみ袋も含めて、それは誤解だった。色に関係なくカラスは生ごみの入ったごみ袋に群がる。

 色ではなく、紫外線カットができるかどうか、なのだという。「カラスは赤、青、緑、紫外線の四原色色覚をもっている」。これらの一つでもカットできれば、利口なカラスといえども色は識別できない。

 紫外線を透過させないごみ袋、つまり人間には中身が見えてもカラスには見えないごみ袋を企業と共同で開発した。ごみ袋の素材であるビニールにある原料を充填(じゅうてん)した結果、ごみ袋が黄色になった。実用化されて効果をあげたために、「黄色であれば何でもカラスが寄ってこないと勘違いされた」ともいう。この黄色いごみ袋はしかし、単価が高い。思うほどには普及していない。

 ではどうしたらいいのか。結局は、ごみを出す人間の側に問題があって、カラスを引き寄せているのだ、ということになる。カラスはそれだけではない。1羽がネットをくちばしで持ち上げる、別の1羽がごみ袋を引っ張り出してつつく――といった連係プレーまでやる。カラスの脳は体積比でニワトリの10倍もあるそうだから、あなどれない。

 わが区では独自に回覧チラシをつくり、これまでに二度、隣組に配った。「生ごみは新聞にくるんだり、レジ袋に入れたりして外から見えないようにしましょう」「ごみネットと地面の間にすき間があると、カラスが袋を引っ張り出します。重しを置くなどしてネットを開けられないようにしましょう」
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 ホームセンターへ行ったら、ごみネットの色は青しかなかった。前は黄色だけだった。青色から黄色へ、また青色へ――。今度のネットにはしかし、ひもが付いていない。強風が吹き荒れるときはどうしよう。ネットの一部を電柱に巻きつけるしかない? ひもの代わりに「おもりロープ」が付いているものだった。生ごみをめぐる人間とカラスの攻防も、研究も応用もエンドレスだ。

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